最新記事
音楽

カントリー音楽が絶賛バズり中...大復活のカギはビヨンセ、「踊ってみた」、コロナ禍、Z世代

Country Has Won Our Achy Breaky Hearts

2024年7月11日(木)16時33分
ビリー・シュワブ・ダン(ポップカルチャー担当)

ブランコ・ブラウン

ブランコ・ブラウンの大ヒット曲はTikTok動画が起爆剤に SCOTT LEGATO/GETTY IMAGES

この点に気付いたアーティストの1人が、ブランコ・ブラウンだ。2019年のデビュー曲「ザ・ギット・アップ」は、「ツーステップ、次はカウボーイブーギー」というように、ダンスの振り付けが歌詞の大部分を占める。

【動画】ダンスの振付が歌詞になっているブランコ・ブラウンの「ザ・ギット・アップ」MV

ブラウンは公式ミュージックビデオ(MV)でも踊っており、レイニー・ウィルソンとペアで踊るダンスチャレンジMVも発表。これを機に、友達同士や学校や職場でのダンスチャレンジが爆発的に広がり、TikTokには13万件もの動画が投稿された。曲自体も、スポティファイでの再生回数が3億3000万回を超え、全米チャートで14位まで上昇する快挙となった。


「私の場合、カントリーに対する強い愛情が、トレーラートラップ(ヒップホップとカントリーをミックスした音楽スタイル)を始めるきっかけになった」とブラウンは語る。「私の曲をきっかけに、このジャンルに興味を持つ人が増えたことは最高の気分だ」

カントリーとそれ以外のジャンルを結ぶ「橋を渡る人が増えて、隔たりそのものがなくなり、誰もが古き良きカントリー音楽の心地よさを楽しむようになってきた」と、ブラウンは言う。そして新曲のタイトルに引っかけて、「さあ、カントリーに太陽の光を浴びせよう!」と笑った。

コロナ禍が人気の一因?

音楽業界との関わりが長いPR会社ブレーキング・クリエーティブズ・エージェンシーのダイアナ・ダンジェロCEOは、カントリー人気の背景にはコロナ禍があると言う。「カントリーの曲は共感を呼びやすい。困難を前にしてもがいたり、それを乗り越えたり、より良い明日を追い求めるといった人間の生きざまを反映している」

さらにダンジェロは「コロナ禍の後、多くの社会的不正義や戦争が起こるなかで、カントリーが支持されているのは、シンプルな物語に安心感を抱けるからかもしれない」と語る。「正直が何よりも尊く、傷つきやすいことはたたえられる。今は集団的な癒やしの時代なのかもしれない」

一方、カントリー・ミュージック協会に勤務していた経験があるミドルテネシー州立大学のタミー・ドナム准教授は「現在のカントリー人気の原動力となっているのは、若いファンだ」と指摘する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

注意払いながらしっかりみていくのが基本スタンス=為

ビジネス

米ゴールドマン、第4四半期の鉄鉱石価格予想を1トン

ビジネス

スタバ、4月就任の北米トップが退社へ 新CEOの方

ワールド

トランプ氏、暗殺未遂後も予定通り遊説へ 全て屋内会
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優雅でドラマチックな瞬間に注目
  • 2
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰だこれは」「撤去しろ」と批判殺到してしまう
  • 3
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将来の「和解は考えられない」と伝記作家が断言
  • 4
    地震の恩恵? 「地震が金塊を作っているかもしれない…
  • 5
    バルト三国で、急速に強まるロシアの「侵攻」への警…
  • 6
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 7
    原作の「改変」が見事に成功したドラマ『SHOGUN 将軍…
  • 8
    広報戦略ミス?...霞んでしまったメーガン妃とヘンリ…
  • 9
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座…
  • 10
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 4
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 5
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 6
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 7
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 8
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 9
    キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない…
  • 10
    33店舗が閉店、100店舗を割るヨーカドーの真相...い…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すればいいのか?【最新研究】
  • 4
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 5
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 6
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 7
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 8
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 9
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 10
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中