最新記事
インタビュー

『イカゲーム』からジェダイの騎士へ...ハリウッド進出の韓国大スターを悩ませたのは「舌の痛み」?

The Jedi Master’s Challenge

2024年7月4日(木)15時35分
スー・キム
イ・ジョンジェ

韓国で30年の芸歴を持ち、初監督作の『ハント』も好評を博したイ STUART C. WILSON/GETTY IMAGES

<『スター・ウォーズ:アコライト』での大役抜擢に「辞退も頭をよぎった」という俳優のイ・ジョンジェ。英語での演技は「舌がもげても頑張る」と語る──(インタビュー)>

韓国の俳優イ・ジョンジェ(51)はドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』(ディズニープラスで配信中)の大役に抜擢され──舌の痛みに悩まされた。

『イカゲーム』の実力派がハリウッド進出作となる『アコライト』で演じるのは、ジェダイ・マスターのソル。英語での演技に悪戦苦闘し、一時は食事もできなくなったという。韓国の首都ソウルにいるイに、本誌は舞台裏を聞いた。


「毎日朝から晩まで英語のセリフを特訓しているうちに舌の先が歯にこすれて痛くなり、物が食べられなくなった」と、イは振り返る。「英語と韓国語では舌の動きが全く違う。英語を話すと舌が歯に当たるんだ」

英語に苦労することは予想していたと、彼は言う。「気を付けなければならないことが山ほどあった。英語の発音もアクセントもセリフを口にするときの間の取り方も、全てが難しかった。言語コーチが2人がかりで、セリフをきちんと言えるように厳しく指導してくれた」

イは韓国で30年のキャリアを誇る大スターだが、世界にその名を知らしめたのは2021年の『イカゲーム』だった。

命懸けのサバイバルゲームを描いたネットフリックスのこのドラマで、イはエミー賞や全米映画俳優組合賞に輝いた。待望の第2シーズンは今年後半に配信が予定され、現在も撮影が続いている。

『アコライト』のレスリー・ヘッドランド監督も『イカゲーム』でイに注目し、ソル役に抜擢した。

『アコライト』の舞台は、スカイウォーカー家が中心の映画シリーズより100年ほど前のハイ・リパブリック時代。ソルはジェダイの中でも位の高いジェダイ・マスターだ。

ある日平和なはずの銀河でジェダイが殺害され、捜査に当たったソルは危険な戦士メイ(アマンドラ・ステンバーグ)と対峙することになる。

出演を打診される前から、イはヘッドランドの存在を知っていた。彼女が製作総指揮を務めたネットフリックスの『ロシアン・ドール:謎のタイムループ』のファンだったのだ。

ヘッドランドがスピンオフを手がけると聞いて、「これまでとは違う『スター・ウォーズ』が見られそうだ」と期待したという。

先輩ジェダイを参考に

ヘッドランドから送られてきた企画書にはざっくりとした粗筋しか書かれておらず、イの役どころも明らかではなかった。

「『イカゲーム』でちょっと名が知られた程度の役者に来るのは脇役だろうと予想していた。まさかジェダイ・マスターのソルを任されるなんて、思いもしなかった」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均2カ月ぶり4万円、日米ハト派織り込みが押し

ワールド

EU、防衛費の共同調達が優先課題=次期議長国ポーラ

ワールド

豪11月失業率は3.9%、予想外の低下で8カ月ぶり

ワールド

北朝鮮メディア、韓国大統領に「国民の怒り高まる」 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国 戒厳令の夜
特集:韓国 戒厳令の夜
2024年12月17日号(12/10発売)

世界を驚かせた「暮令朝改」クーデター。尹錫悦大統領は何を間違えたのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 2
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達した江戸の吉原・京の島原と並ぶ歓楽街はどこにあった?
  • 3
    男性ホルモンにいいのはやはり脂の乗った肉?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 5
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 6
    ノーベル文学賞受賞ハン・ガン「死者が生きている人を…
  • 7
    韓国大統領の暴走を止めたのは、「エリート」たちの…
  • 8
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新…
  • 9
    「糖尿病の人はアルツハイマー病になりやすい」は嘘…
  • 10
    統合失調症の姉と、姉を自宅に閉じ込めた両親の20年…
  • 1
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 2
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、妻の「思いがけない反応」...一体何があったのか
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社…
  • 6
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 7
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新…
  • 8
    男性ホルモンにいいのはやはり脂の乗った肉?...和田…
  • 9
    人が滞在するのは3時間が限界...危険すぎる「放射能…
  • 10
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 9
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中