「明らかなパクリ」と一部ファン...ビヨンセ、ツアー衣装で日本人アーティストの作品を盗用か 比較写真が話題に
アルバム「ルネッサンス」で第65回グラミー賞「最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞」を受賞したビヨンセ(2023年2月6日、ロサンゼルス) Mario Anzuoni-REUTERS
<「正式に頼んでくれれば君のためにもっと良い仕事ができた」とする空山基氏の投稿をめぐり、ネット上で議論が過熱>
歌姫ビヨンセが、今年大成功させた世界ツアー「ルネッサンス」のビジュアルを巡ってエロティックなイラストで人気の日本人アーティストの作品を盗作した疑惑が浮上している。「セクシーロボット」など美と機械を融合させた光沢感のある官能的な作品で知られる空山基氏が、ステージの巨大スクリーンに映るビヨンセの顔の写真をインスタグラムに投稿し、自身の作品と並べて投稿したことが話題になっている。
【比較写真】「明らかなパクリ」と一部ファン...空山基氏がインスタに投稿した自身の作品とビヨンセの衣装デザイン
「よう、ビヨンセ。君は私に"正式"に頼むべきだった。そうすれば私も、ザ・ウィークエンドのように君のためにもっと良い仕事ができたのに」とビヨンセに向けてメッセージを綴り、比較画像として自身の作品も複数枚公開。顔の横からワイヤーのような尖った棒が突き出したメタリックシルバーのヘッドピースを被るビヨンセの姿を問題視した。
許可を得ていたと思っていたファン多数
何かしらの法的措置を講じているのか、単に作品の類似点を指摘しただけなのかは不明だが、ディオールやブルガリなどの高級ブランドや人気歌手ザ・ウィークエンドとのコラボで世界的な評価を受けている空山氏の主張をニューヨーク・ポスト紙やTMZなど複数の米メディアが取り上げ、疑惑を大々的に伝えている。(編集部注:空山氏の所属ギャラリー「NANZUKA」が15日に正式な声明を発表。南塚真史代表によれば、空山氏にとって、ビヨンセの衣装が空山作品と類似しているかの判断を司法で争う事は優先事項ではなく、"空山風"のデザインが本人のものだと認識されることへの拒否感こそが関心事だとしている)
多くのファンがツアー中、ビジュアルは空山氏からインスピレーションを受けたものであると信じていたと報じており、投稿を見た一部ファンからも「明らかなパクリ」「立ち上がるべき」と支持する声が出ている。
一方、「投稿する前にリサーチすべき」と批判も多く寄せられている。「(ディストピア未来都市を描いた1927年のドイツ映画)『メトロポリス』が最初」「これまで(仏デザイナー)ティエリー・ミュグレーやジャンポール・ゴルチエらが、同様のデザインを手掛けている。あなただけが、アンドロイドの美学を所有しているわけではない」「アンドロイドを創造したのはあなたが最初ではない」などコメント欄はファンの疑惑を否定する声で溢れている。
空山氏の許可を得ていたと思っていたファンに対しても、「(今ツアーのステージ衣装やショーのクリエイティブを担当した)ミュグレーの作品」「2007年のBETアワードでも似たようなデザインの衣装を着用していた」と真っ向から反論し、議論が沸騰している。