元ジャニーズJr.の橋田康「問題と向き合う、事務所の決断を応援したい」
新体制について会見で語る東山紀之新社長(右)と井ノ原快彦副社長(10月2日) Issei Kato-Reuters
<被害者への補償開始、社名変更、新会社の設立などを発表したジャニーズ事務所に対し、被害を告白している橋田康がいま思うことは──>
1998年から約7年間、ジャニーズJr.(ジュニア)として活動した俳優・ダンサーの橋田康。彼は入所から約1年後にジャニー喜多川から性加害を受けたことを、今年5月に週刊文春で実名で告白した。
多くの被害者が名乗り出るなかジャニーズ事務所は9月、喜多川が数々の少年に起こした性加害を事実と認め、10月2日の会見では被害者への補償、社名変更、タレントのマネージメントなどを行う新会社の設立を発表。事務所の先行きなど不透明な部分は残るものの、事態は一つの区切りを迎えた。5月に本誌の取材に答えた橋田に、本誌・大橋希と小暮聡子があらためて話を聞いた(インタビューは、記者会見での「NGリスト」の存在が発覚する前に行われた)。
■前回記事:元ジャニーズJr.の橋田康が、「母校のよう」なジャニーズ事務所に伝えたいこと
──前回は5月に話を聞かせてもらったが、この4カ月あまりを振り返ってどうか。
やっぱり一番大きいのはジャニーズという名前がなくなること。僕は「ジャニーズ」「ジャニーズ系」というのは(ジャニー喜多川氏というより)61年続いた会社、表現方法そのものを表す単語だと思っている。それがなくなるというのは、すごく複雑な気持ちではある。
「ジャニーズ事務所」として再出発してほしいと僕は思っていた。ただ、その名前がなくなっても仕方がないような、重大な問題だということは分かっている。残念だし寂しい気持ちもあるが、(ジャニーという名前を)徹底的に排除して、進んでいくという事務所の決断は応援したい。問題に向き合うことを決断したのだから、何を言われようとも頑張ってほしいですね。
僕が前回取材を受けたのはFCCJ(日本外国特派員協会)で記者会見を行う前で、身の危険を想像してしまうほど不安がいっぱいあった。あの頃は、顔出しで告白して誹謗中傷を受けるのは僕が最後でいいと思っていたが、事務所の対応が後手後手になったことで、被害者たちが誹謗中傷を受ける時間が増えてしまった。もっと早い段階で、今のような対応を決めてくれていたらそうなっていなかったかもしれない。(この4カ月は)いろんな人が苦しんだ時間だったなとは思う。
具体的な内容はまだ足りない部分もあるが、性加害を認めて謝罪して被害者を救済していく、会社もいずれ廃業するとなっている今、時代は動き始めた。僕は(ジャニーズ事務所と)今は敵対しているかもしれないが、より良い方向に向かっていくよう応援したい。
事務所が頑張れば頑張るほど、日本での性加害の抑止につながると思う。新会社で今後もジュニアたちを育てていくと決断している以上、厳しい目を向けられて当然。親御さんたちを安心させ、子供たちを徹底して守り、スターに育てていくことを頑張り、そのことを周知させなきゃいけない。それがいろいろな会社で当たり前になれば、日本のエンターテイメント界は子供たちの才能をきちんと守れる場所になると思う。
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