スポーツブラのモデルに「トランス女性を起用」で大論争に...ビール広告に続いて
Nike Makes Dylan Mulvaney Sports Bra Model, Days After Bud Light Furor
ディラン・マルベイニー(2023年3月) lev radin-Shutterstock
<ビールの広告への起用で批判が集まったばかりだったが、今度は「生物学上の女性を起用せよ」「女性への侮辱」と反発の声が>
人気のインフルエンサーとして活躍するディラン・マルベイニーが、相次いで大手企業とのパートナーシップ契約を獲得したことが、激しい議論を呼んでいる。先日、大手ビールブランド「バドライト」のキャンペーンモデルに起用されたマルベイニーだが、今回はナイキが展開するスポーツブラのモデルに起用されることが決まった。
■【写真】ナイキのスポーツブラを着用し、モデル起用をアナウンスしたマルベイニー
企業がインフルエンサーのリード獲得に期待し、彼らをキャンペーンに起用することはもはや当たり前になっているが、マルベイニーが物議を醸すのは「彼女」が、自らのトランジション(ジェンダー移行)を記録したコンテンツをソーシャルメディアで公開してきたトランスジェンダーだからだ。
俳優兼コメディアンのマルベイニーは今回、ナイキのスポーツブラのモデルに起用されることが決まった。これに先立ち、彼女を販促用の動画シリーズ「Day 365 of Girlhood」に起用したバドライトに対しては、ソーシャルメディア上で非難の声やボイコットを呼びかける声が上がっている。
今回のナイキとの契約についても、一部のソーシャルメディアユーザーは同様に否定的な反応を示している。
インフルエンサーのオリ・ロンドンは、マルベイニーがナイキ製品を身に着けている動画に「こちらがナイキ・ウィメン(NIKE WOMEN)の新しいアンバサダー。生物学的には男だ」という言葉を添えてソーシャルメディアに投稿し、さらにこう書き添えた。
「ディラン・マルベイニーは、ナイキ・ウィメンから金を貰ってスポーツブラの宣伝をしている――彼は男なのに! またもや新たな企業が、女性の代わりに男性を起用して金を払い、女性を侮辱している!」
ツイッター上では批判の声が相次ぐ
執筆家で共和党支持のインフルエンサーであるブリジット・ガブリエルは、ロンドンのツイートを受けて「最低だ。私は既にナイキ製品をボイコットしている!」と書き込んだ。ロンドンは彼女に賛同し、ナイキのような企業に金を落とすのはやめるべきだと示唆。「Woke(ウォーク、意識高い系)は破滅する運命にある」と書き込んだ。
マルベイニーは4月5日、インスタグラムのフォロワー170万人に向けて、ストーリーズとグリッド投稿で新たなスポンサー契約を発表。スポーツブラを身に着けた写真や動画を投稿し、「お知らせです。ワークアウトを始めます」と書き込んだ。
この投稿に対して、ファンからは称賛や支持を表すメッセージが寄せられ、コメント欄はポジティブなメッセージで埋め尽くされた。一方でツイッター上では、ロンドンやガブリエルをはじめとする大勢の人が、マルベイニーとナイキを批判した。