米歌手「私は日本人」発言に「他国文化の盗用」批判...ここまで炎上するには訳があった
Kyle Richards' Reply to Gwen Stefani 'I'm Japanese' Comment Sparks Debate
グウェン・ステファニー(2014年8月) Kevork Djansezian-Reuters
<日本への親近感を示した発言が、「文化盗用」だとして歌手のグウェン・ステファニーに批判が殺到した背景には、過去の「前科」が>
米シンガーのグウェン・ステファニーが1月10日、雑誌「アリューア」のインタビューで、「私は日本人」と発言したことが議論を呼んでいる。以前から日本への親近感をパフォーマンスなどにも反映させてきたステファニーだが、今回の発言が「他国文化を儲けのために利用している」などの批判を呼んだのには理由があった。
■【写真】日本人のステレオタイプを助長し、金儲けに利用? ステファニーの「文化盗用」疑惑
今回の発言は、アイルランド系の父とイタリア系の母をもつステファニーが、日本企業ヤマハの従業員だった父の影響で、故郷カリフォルニアと日本を行き来するうちに日本文化に触れるようになったいきさつを語ったなかでのものだった。
「私はそうやって日本文化の影響を受けた。日本文化は、豊かな伝統があるにもかかわらず、とても未来的で、芸術、細部、秩序に配慮が行き届き、とても魅力的だった」。ステファニーは、同誌記者のジェサ・マリー・カラオールに対してそう語っている。
スカパンク(ska-punk)バンド「ノー・ダウト」の元ボーカルで、2004年の「リッチ・ガール」のヒットなどでも知られるステファニーは、大人になってから東京の原宿を訪れた。そして、時代の最先端を行くファッションと雑多なショップで有名な原宿にインスピレーションを受け、2008年には、香水「原宿ラバーズ」とアパレルラインを発表した。
ステファニーはインタビューで、日本文化を体験したときを振り返り、「ああ、気づいていなかったけど、私は日本人なんだと思った」と語り、「そう、私は日本人なの」と続けた。
記者がステファニーの意図を誤解した?
インタビューの翌日、ステファニーの代理人が同誌に連絡を入れ、記者はステファニーが言わんとしていたメッセージを誤解したと述べたが、公表を前提とした釈明を出すことは差し控えた。
ステファニーはこのインタビューで、自身が育ったカリフォルニア州オレンジ郡アナハイムのヒスパニック系とラティンクス(Latinxはラテン系のジェンダーニュートラルな表現)系のコミュニティに親近感を抱いているとも明かしている。「そのコミュニティで耳にした音楽や、女性が身に着けるメイクアップにファッション、それが私のアイデンティティ」と語った。
「私はイタリア系アメリカ人とアイルランドやいろいろが混ざった雑種のようなものだけど、そうやって私は育った。そういう人たちが家族のようなものだった」