最新記事

ドラマ

帰ってきたアダムス・ファミリー...ネトフリ版新作『ウェンズデー』の見どころは?

Burton’s Favorite Weekday

2022年12月16日(金)13時42分
ロクシー・サイモンズ
ウェンズデー・アダムス

寄宿学校に入るウェンズデーと彼女を見守る右手だけのキャラ「ハンド」 COURTESY OF NETFLIX

<鬼才ティム・バートンを監督に迎えた『ウェンズデー』はオリジナルの世界観を継ぐ学園ホラーミステリー>

ウェンズデー・アダムスを成長させるには、お化け家族から独り立ちさせなければならない──。

ドラマ『ウェンズデー』(ネットフリックスで独占配信中)を制作するに当たり、クリエーターコンビのアルフレッド・ガフとマイルズ・ミラーはそう考えた。

不気味な一家が繰り広げるちょっとおどろおどろしくてコミカルな『アダムス・ファミリー』の物語は、何度もドラマや映画やアニメの題材になってきた。原案を手掛けたガフとミラーは今回、長女のウェンズデーを主役に据え、これまでとはがらりと違う作品を目指した。

聡明だがひねくれたウェンズデーは、製作総指揮兼監督として参加したティム・バートンのお気に入りのキャラクターでもある。

16歳のウェンズデー(ジェナ・オルテガ)は高校で騒ぎを起こして退学処分に。魔女の血を引く母モーティシア(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)、父ゴメス(ルイス・ガスマン)、弟パグズリー(アイザック・オルドネス)と暮らす家を出て、寄宿学校に入ることになる。

そこは普通の高校ではなく、人狼や吸血鬼など特殊なパワーを持つ子供たちが力をコントロールする術を学ぶ「ネバーモア学園」。両親が出会って恋に落ちたのも、この学校だった。

社会性のないウェンズデーは転校先でも苦労するが、周囲で猟奇的な殺人事件が起きたことから捜査に乗り出す。

ヒロインに自立を促す

「僕とマイルズにとってウェンズデーは、昔から『アダムス』で誰より興味をそそるキャラクターだった」と、ガフは振り返る。「僕らが知るウェンズデーは辛辣な口を利く10歳くらいの女の子。この子が成長したらどうなるんだろう、どんなふうに大人になるんだろうと考えたのがスタート地点だった」

ガフとミラーにはティーンエージャーの娘が合わせて4人いて、今まさに大人になる過程を見守っているところだ。

「ウェンズデーを寄宿学校に入れたのは自立させるため。子供は進学などで親元を離れ、新天地で出会う友達が新しい家族になる。今まで一度も友達をつくる必要がなかったウェンズデーにも、そんな経験をさせたかった」

2人はウェンズデーのキャラクター像にふさわしく、しかもシリーズに新風を吹き込めるストーリーを編み出そうとした。

「舞台を普通の高校にしたら、ウェンズデーは家から離れられない。彼女に家族と距離を取らせ、同時に『アダムス』らしいゴスでコミカルな雰囲気を出したかった」と、ミラーは説明する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザでの戦争犯罪

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件減の21.3万件、予

ワールド

ロシアがICBM発射、ウクライナ発表 初の実戦使用

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の民家空爆 犠牲者多数
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 2
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッカーファンに...フセイン皇太子がインスタで披露
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 5
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 6
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中