帰ってきたアダムス・ファミリー...ネトフリ版新作『ウェンズデー』の見どころは?
Burton’s Favorite Weekday
寄宿学校に入るウェンズデーと彼女を見守る右手だけのキャラ「ハンド」 COURTESY OF NETFLIX
<鬼才ティム・バートンを監督に迎えた『ウェンズデー』はオリジナルの世界観を継ぐ学園ホラーミステリー>
ウェンズデー・アダムスを成長させるには、お化け家族から独り立ちさせなければならない──。
ドラマ『ウェンズデー』(ネットフリックスで独占配信中)を制作するに当たり、クリエーターコンビのアルフレッド・ガフとマイルズ・ミラーはそう考えた。
不気味な一家が繰り広げるちょっとおどろおどろしくてコミカルな『アダムス・ファミリー』の物語は、何度もドラマや映画やアニメの題材になってきた。原案を手掛けたガフとミラーは今回、長女のウェンズデーを主役に据え、これまでとはがらりと違う作品を目指した。
聡明だがひねくれたウェンズデーは、製作総指揮兼監督として参加したティム・バートンのお気に入りのキャラクターでもある。
16歳のウェンズデー(ジェナ・オルテガ)は高校で騒ぎを起こして退学処分に。魔女の血を引く母モーティシア(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)、父ゴメス(ルイス・ガスマン)、弟パグズリー(アイザック・オルドネス)と暮らす家を出て、寄宿学校に入ることになる。
そこは普通の高校ではなく、人狼や吸血鬼など特殊なパワーを持つ子供たちが力をコントロールする術を学ぶ「ネバーモア学園」。両親が出会って恋に落ちたのも、この学校だった。
社会性のないウェンズデーは転校先でも苦労するが、周囲で猟奇的な殺人事件が起きたことから捜査に乗り出す。
ヒロインに自立を促す
「僕とマイルズにとってウェンズデーは、昔から『アダムス』で誰より興味をそそるキャラクターだった」と、ガフは振り返る。「僕らが知るウェンズデーは辛辣な口を利く10歳くらいの女の子。この子が成長したらどうなるんだろう、どんなふうに大人になるんだろうと考えたのがスタート地点だった」
ガフとミラーにはティーンエージャーの娘が合わせて4人いて、今まさに大人になる過程を見守っているところだ。
「ウェンズデーを寄宿学校に入れたのは自立させるため。子供は進学などで親元を離れ、新天地で出会う友達が新しい家族になる。今まで一度も友達をつくる必要がなかったウェンズデーにも、そんな経験をさせたかった」
2人はウェンズデーのキャラクター像にふさわしく、しかもシリーズに新風を吹き込めるストーリーを編み出そうとした。
「舞台を普通の高校にしたら、ウェンズデーは家から離れられない。彼女に家族と距離を取らせ、同時に『アダムス』らしいゴスでコミカルな雰囲気を出したかった」と、ミラーは説明する。