中国人監督の『ノマドランド』がアカデミー賞有力候補...なのに中国人が全然喜ばない理由
Chloe Zhao Tipped for Oscars Glory, Falls Foul of Country's Censors
インターネットの検閲によってノマドランドという語句が封じられたことで、3月第1週には、この映画をめぐる広い議論は見られなくなった。その一方で、ジャオの中国語名を含むハッシュタグと、ゴールデン・グローブ賞受賞に関するタグは残っており、閲覧数はそれぞれ3200万回と3億5000万回に達している。
4月中旬にこの映画に言及した少数の微博ユーザーは、ノマドランドは中国で公開されるのだろうかと問いかけている(それに対する返信はない)。中国での映画配給を担う政府系の映画団体「国立映画芸術同盟(National Alliance of Arthouse Cinemas:NAAC)」は、4月23日にノマドランドの大規模な公開を予定していたが、現在は中止になっているようだ。
本誌はNAACにコメントを求めたが、返答は得られなかった。
第93回アカデミー賞が放映される4月25日には、ジャオはアジア系女性として、さらには中国の映画監督として初めて監督賞を獲得し、さらなる歴史をつくる可能性がある。ノマドランドは、作品賞と監督賞をはじめ、全6部門にノミネートされている。
しかし微博では、3月に衣装デザイン賞・特殊効果賞にノミネートされたディズニーの『ムーラン』のほうが華々しくとりあげられていた。
(翻訳:ガリレオ)