『失敗の本質』『武士道』『道しるべ』...中満泉・国連事務次長の「人生を変えた5冊」
日本人として海外で暮らしていると、ちょっとかみ合わないなと思うことがある。そう感じるときにキラキラと輝く言葉がいっぱい記されていて、学ぶことが多い。日本人の強みを発揮することが海外で貢献するということなのだと思わせてくれる。女性の教育が大切とも主張しており、当時としては先進的だと思う。
もう一冊は第2代国連事務総長のダグ・ハマーショルドの『道しるべ』で、恐らく5冊の中で一番分かりにくい。年齢とともに少しずつ分かるようになってきたが、いまだに理解し切れていない。
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)
日記ではあるが、俳句のような詩で自分の心を表現するなど、自らの葛藤を記している変わった本。仕事など「この世」のことは一切出てこず、スピリチュアルでかつ孤独感が全編に漂っている。死に関して多く書かれてある一方、自分の在り方、謙虚であることはどういうことかなど、仕事をしていく上での身の処し方についても参考になる。
『武士道』と『道しるべ』は内容的に「重い」本で、普段時間を見つけて読むというより、毎年夏休み中にじっくり読み返している。
(構成・澤田知洋)
<2020年8月11日/18日号「人生を変えた55冊」特集より>
【関連記事】NEWS・加藤シゲアキが愛する『ライ麦畑』と希望をもらった『火花』
【関連記事】大ヒット中国SF『三体』を生んだ劉慈欣「私の人生を変えた5冊の本」
2020年8月11日/18日号(8月4日発売)は「人生を変えた55冊」特集。「自粛」の夏休みは読書のチャンス。SFから古典、ビジネス書まで、11人が価値観を揺さぶられた5冊を紹介する。加藤シゲアキ/劉慈欣/ROLAND/エディー・ジョーンズ/壇蜜/ウスビ・サコ/中満泉ほか