巣ごもりGWに観ておきたいおすすめ韓国映画・ドラマ 『パラサイト』観てハマった人も観てない人も
巣ごもりのホームステイ週間、新しいジャンルの映画やドラマに挑戦するのもいいかも。 wutwhanfoto - iStockphoto
<世界中の映画を毎日3本見続けた映画バイヤーの「ステイ・ホーム・シアター」ガイド>
人によっては最長16連休にもなるといわれている今年のゴールデンウィーク。しかし、せっかくの連休も緊急事態宣言による外出自粛のせいで外に遊びに行けず、時間をもて余している人も多いことだろう。
新型コロナウイルスのパンデミックが始まる少し前、今年2月といってももうすっかり昔のことのようだが、米アカデミー賞で韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が4冠を獲得し、これまでアジア映画など観たことなかった人たちも韓国映画に興味をもち始めた。日本でも観客動員数100万人、興行収入14億円を超える大ヒットとなり、この作品がきっかけで「韓国映画って面白い」と気付いた方もいるかもしれない。
今回は、そんな「『パラサイト』観たけど、他にも面白い韓国作品って何を観ればいい?」という方のために、今家にこもりながらOTT(Netflix、Amazonプライムなどの動画ネット配信サービス)で観ることができる韓国映画とドラマそれぞれ数作品を紹介しよう。
よく韓国映画やドラマ好きな人にお勧め作品を聞くと「○○に出ていた○○氏主演で...」と俳優中心で勧められたり、韓国映画マニアからは「○○監督の最新作だ」と紹介されることが多いが、今まであまり観たことのない人にはどうでもよい情報だろう。ここではできるだけそういったトピックは避けて紹介したい。
映画部門
■恋愛映画『ビューティー・インサイド』
主人公の男性は毎日容姿や性別、年齢がなぜか代わってしまうという不思議な設定で123人1役という未だかつてなかったラブストーリー。物語は彼だけでなく、彼の付き合っている彼女側の心情も描いているのが興味深い。
毎日デート相手が変わるなんて素敵じゃないかと思う人もいるだろうが、ある日は子供だったり別の日はお婆さんだったりと、コロコロ変わられると常に好きでいられるだろうか。「人間は容姿じゃない中身だ!」と言われるが果たして本当にそうなのか。韓国でも問題になっている美容整形問題にもつながる興味深いテーマが隠されている。
■サスペンス映画『あいつの声』
韓国では度々実際の事件を元に作られる映画が登場する。特に韓国三大未解決事件は有名で、この映画はそのうちの1件を扱ったものだ。ちなみに、残りの2つは『カエル少年失踪殺人事件』『殺人の追憶』として映画化されている。
物語は9歳のサンウ君が誘拐された44日間の話である。実際に起きた事件というだけでもぞっとしてしまうが、映画の最後に実際の犯人の似顔絵と脅迫電話の声が流れ、このストーリーが実際に起こった事件であり、まだ捕まっていない犯人は外をうろついているかもしれないというリアルな恐怖を味わうことができる。
■ホラー映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』
日本公開時、原題『釜山行』から大きく離れ、まさかの駄洒落"新感染"という邦題に韓国映画ファンが驚愕した作品。
韓国では珍しいゾンビ映画であるが、そこに韓国らしい情緒が詰まっている。さらに、親子愛がベースになっているため、ゾンビ映画と聞いて避けがちな人にも観やすい作品だ。むしろ、ゾンビというよりも一種の災害パニック映画に近い感覚で観ることができるだろう。
主に列車の中で進行する話だが、車内で1人目の感染者は、先日日本アカデミー賞主演女優賞を受賞したシム・ウンギョンさんである。たった数分の出演にもかかわらず強烈なゾンビっぷりが印象に残る素晴らしい演技力にも注目してほしい。