韓国ウェブトゥーン、映像化で世界へ進出 Netflixでヒット「梨泰院クラス」など原作から配給までワンストップで生み出す
ウェブトゥーン原作で大ヒットした作品の最新事例がパク・ソジュン主演の『梨泰院クラス』だ JTBC Drama / YouTube
<映画やドラマのヒットを受けて、その原作のウェブトゥーン(ウェブ漫画)も注目され始めた>
韓国で映画の配給会社に勤めていた頃、ある韓国人プロデューサーに「日本人はなぜ漫画原作の実写映画が好きなのか? ストーリー展開も結末もわかっているのになぜ高いお金を払ってまで観に行くのか?」と質問されて驚いたことがある。
確かに、人々は内容を知りつつも、なぜ映画化された作品を観るのだろうか? 俳優やセットの再現シンクロ率を確かめるためなのだろうか。オリジナルストーリー作品が多い韓国人にはそんな状況が不思議に映っていたのだろう。ところが、そんな韓国でもここ最近、ウェブトゥーン(ウェブ漫画)原作の作品が増え、映像化権の買い占めが続いている。
以前からドラマ『宮 -Love in Palace-』『フルハウス』などを代表するコミック本原作のドラマや映画は存在したが、2014年前後からはウェブトゥーンのドラマ化が急増し始めた。その数は、昨年末までで約60作品を超えると言われている。そして今では、韓国内だけに留まらず、Netflixなどを通じて世界配信も行われるようになり、韓国ウェブトゥーンは世界的に注目を集めている。
韓国ウェブトゥーン人気の秘密
ウェブトゥーンがここまでの人気を集めるようになったのには、いくつかの理由があるが、その大きな要因と言われているのが、ジャンルがバラエティに富んでいる点だろう。Web作家は個人の趣味で漫画制作を始めていたことが多く、バックグラウンドも多様だ。その為、専門的な知識や得意分野をテーマにした漫画が多い。
また、日本とは違い、外国ではコミックは子供が読むものというイメージが強いが、パソコンやスマートフォンを通じて閲覧できるウェブトゥーンは会社員でも気軽に読め、子供向けという漫画の認識が薄い。その結果、大人向けのジャンルの漫画も充実しているようだ。
さらに、韓国のコミック漫画は原作者と作画者が分かれていることが多い為、映像化する際権利がややこしい。しかし、例外はあるにせよウェブトゥーンの場合ほとんどが原作者と作画は同一人物が行っているので、契約が進めやすいのも大きな利点だ。