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韓国社会

BTSを抜いた! 2019年韓国で大ブレイクした新人スター「ペンス」とは?

2019年12月9日(月)19時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

なぜペンスは愛されるのか?

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KBSのインタビューでも、自分の所属するEBSのキム・ミョンジュン社長とKBSのヤン・スンドン社長を呼び捨てにする大物っぷり。 KBS Entertain / YouTube

10歳のペンギンという設定であるペンスが、お堅いイメージのEBS社長を呼び捨てにしてネタにする姿は、もともと儒教の影響で上下関係が日本よりも厳しく、さらに格差社会の広がりが問題視されている韓国において、なかなか興味深い設定だ。日本では吉本芸人が社長の名前を名指しにしてネタにする場面はあっても、韓国では一般人である社長の名前を出したところで笑いにはならなかった。それを、かわいいキャラクターをまとうことでペンスは可能にしている。

10歳という設定で思ったことをそのまま口にする正直さと、怒る気になれないペンギンのゆるいキャラクターで、20〜30代がなかなか言えない本音を代弁してくれているからこそ、子供だけでなく20~30代からも人気を集めているのだろう。ペンスは自己愛も高く、理想の人は「自分」だという。韓国人のミレニアム世代が本音や求めている姿がペンスには詰まっているのかもしれない。

年末にはMBCのバラエティ番組の祭典『MBC芸能大賞』にも出演するというペンス。熱しやすく冷めやすい韓国ではブームが過ぎるのも早いが、ペンスフィーバーはこれからもしばらく継続していきそうだ。



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