BTSを抜いた! 2019年韓国で大ブレイクした新人スター「ペンス」とは?
韓国の教育番組から生まれた新人スター、ペンス。練習生ながら今ではその名を聞かない日はないほどの人気者になった。연합뉴스TV / YouTube
<韓国で今、話題となっているYouTubeから火が付いたスター。その人気には、若い世代の格差社会への不満が影響している?>
早いもので2019年も残すところ3週間あまり。年末恒例の"1年の総決算"が次々と発表されるなか、韓国の就職ポータルサイト「インクルート」が調査した「2019年今年の人物」に話題が集まっている。このアンケートは、韓国の成人男女2,333人が、社会・文化や経済・企業など、各分野で今年最も活躍したと思われる人物を選び発表されるというものだ。
その中で、放送・芸能部門の1位となったのが、今回紹介する「ペンス」だ。ちなみに、2位は先日人気オーディションで優勝し、老若男女に人気の韓国演歌歌手ソン・ガイン(17.6%)、3位はワールドワイドに活躍し、日本でも高い人気を誇るBTS(16.7%)だった。この数字をみてもペンスの人気ぶりがわかるだろう。
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では、ペンスとはいったい何者なのだろうか? このヘッドフォンをしたペンギンの着ぐるみキャラクターは、韓国の公営放送局EBS(韓国教育放送公社、日本のNHK教育テレビジョンに相当)から生まれた。現在EBSの練習生で、韓国でスターになるために南極から泳いでやってきたという10歳のペンギンという設定になっている。
2019年4月2日に始まった新番組『ジャイアント・ペンTV』に登場し、同時にこの番組のYou Tubeチャンネルもスタート。開始当初はフォロワー数がたったの37名だったという。ところが、11月には100万人を超え、現在123万人(12月8日調べ)にも上っている。
他の調査ではソン・ガインと決選投票
ちなみに、通信大手SKテレコム参加のポータルサイト、ネイトも同様の"今年のホットスター"というアンケート調査を実施、8日に結果を発表したが、こちらでは順位が逆転し、1位は演歌歌手ソン・ガインとなった。ネイトでは「サイトにアクセスしたユーザー20,232人が投票し、20代が多くを占めるインクルートの調査よりも偏りがなく公正だ」と主張している。投票は、ソン・ガインとペンスによる決選投票が実施され、72%と圧倒的な数でソン・ガインがペンスを破ったという。とはいえ、BTSなど並み居るスターを差し置いて決選投票に進んだペンスはただ者ではないようだ。
EBSといえば、幼児向けの教育番組も放送しているだけあって、これまでにも様々なキャラクターを生み出してきた。しかし、いくら人気のあるキャラクターとはいえ、ここまで国民的な支持を集めるキャラクターはいなかった。今までのキャラクターとはいったい何が違い、韓国人の心をつかんだのだろうか?
このペンスは、一種の「ゆるキャラ」のような立ち位置をとっている。子供に人気の出そうなペンギンの風貌をしているが、実際ペンスを応援しているのは20~30代のミレニアム世代だという。
また、映像を見ると声はプロの声優さんが担当しているわけでなく、若干キャラクターを作っているはいるものの、一般的な男性の声。音声が籠っているところから推測すると着ぐるみの「中の人」が直接声を出しているようだ。街へ繰り出したり、スタッフも映像に登場したりするのは近年の韓国バラエティー番組でありがちだが、幼児向けのキャラクター番組では初めてだろう。
さらに、番組やさらには放送局の垣根を越えて、一人の出演者として様々な番組にも登場している点も珍しい。ここまで読んで、日本のあるキャラクターが思いだされないだろうか? そう、一世を風靡した日本のゆるキャラ、ふなっしーと少々似ている点がある。