ハリウッドも驚く韓国の映画撮影 日韓スタッフが衝突する共同制作の実態とは?
初めの韓国映画出演について、今まで経験したことのない撮影スタイルに驚いたと語るミーガン・フォックス 톱스타뉴스/TopStarNews - YouTube
<韓国人の国民性としてよく語られるのが「せっかち」だという点。それが映画撮影の現場でハリウッドを凌ぐシステムへと繋がっていた>
海外旅行に行くと、日本では見ることができないスタイルを目にしたり、カルチャーギャップを体験したりする。これも楽しい旅の醍醐味の一つだ。外国との合作映画や俳優たちが海外の映画界で活躍する場が増えてきている今、映画の製作現場でも新鮮な驚きを発見する場面が増えているようだ。
朝鮮戦争中に行われた「長沙里上陸作戦」を描いた韓国映画『長沙里:忘れられた英雄たち』(クァク・キョンテク、キム・テフン監督)に、ハリウッド女優ミーガン・フォックスが出演し注目を集めている。「長沙上陸作戦」は、1950年連合軍側が反撃するきっかけとなった仁川上陸作戦の前日に行われた陽動作戦。ミーガン・フォックスはニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙の従軍記者で、のちにその取材記事で女性として初めてピューリッツァー賞を受賞したマーガレット・ヒギンズを演じている。
韓国映画への出演が初めてだったミーガンは、撮影現場で印象的だったことについて質問された際、「次のシーンを準備している間に、ついさっき撮影したシーンを現場で編集していた。ハリウッドでは見たこともない撮影方法だった」と語った。
韓国では「現場編集」という役割のスタッフがいる。彼らは、監督のOKが出て撮影が終了したシーンを、その場で仮編集していくことが仕事だ。監督は撮影したシーンを全体の流れの中で巻き戻して確認したり、ずいぶん前に撮ったシーンの続きを撮影する際は俳優たちが以前の演技を見直して声のトーンや感情を掴んだりするために、この現場編集が役立っている。映画業界の最先端をいくハリウッドの現場で、この現場編集という方法がなかったというミーガンの発言に韓国国民は驚き大きな話題を呼んだ。
ちなみにこの「現場編集」、ミーガンだけがハリウッドで知らなかったという訳ではない。今年12月に公開予定の『スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』は撮影前に監督が交代。撮影終了から公開までの期間が4カ月も短くなったため編集のメリアン・ブランドンは撮影現場で並行して編集をやりたいと監督のJ.J.エイブラムスに申し出たところ、監督は「そんなことやったことがないからダメだ」と却下したという(最終的に監督はその提案を受け入れ、効率的な方法だととても気に入ったそうだ)。