ポケモンからハリポタへ 物語を現実世界へ「招喚」するAR
2018年のアップルの開発者会議で紹介されたレゴのARアプリ。本物のレゴにARのレゴが重ね合わせて遊べるアプリだという。 Elijah Nouvelage - REUTERS
<CGや特撮の技術で「よりリアル」な表現で映画や物語の世界に没入していたはずの私たち。ところが技術の進化は、物語への没入を不要にしつつある──>
2016年の夏に発売され、全世界で社会現象というべきブームを巻き起こした『Pokémon GO』。その衝撃は3年たった今でも記憶に新しい。本家のポケットモンスターのゲームやアニメさえ見たことがなかった筆者や周りの友人、同僚までもがモンスターが何かもわからぬまま、とりあえずスマートフォンにダウンロードしてプレイしたほどだ。
そして今年7月、その『Pokémon GO』を開発したNiantic社が、新しく映画『ハリー・ポッター』をテーマにした『ハリー・ポッター:魔法同盟』を開発、配信開始した。映画を取り込んだメディアミックスの波がスマホアプリにも広がりを見せ、今後どのように活用されていくのか注目を集めている。
今回配信された『ハリー・ポッター:魔法同盟』は、イギリスの作家J.K.ローリングのベストセラー小説『ハリー・ポッター』シリーズを元にしたゲームである。スマートフォンやタブレットにダウンロードして、現実世界とリンクさせながらプレイする『Pokémon GO』と同じスタイルだ。
ゲームの舞台はシリーズ最終エピソード『ハリー・ポッターと死の秘宝』の後、魔法での大戦が終わった世界を描いている。アプリをダウンロードして、自分が魔法の世界の特殊部隊の一員となり、魔法に関する事件を解決して点数を獲得する仕組みである。また、個人プレイだけでなく複数のプレイヤーとチームを組んで対決することもできる。
世界中にファンがいる人気シリーズのゲーム化と、過去の『Pokémon GO』の大ヒットもあり、配信前から大きな話題となった。アメリカやイギリスで先行配信されると、ダウンロードアプリランキング1位を獲得。日本では7月2日に配信されたが、配信初日の無料App ランキング1位ならびにゲームランキング1位を獲得した。