『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』撮影現場で見た監督のこだわり
「私はこれまで感情を揺さぶられる悲しい役や涙を流す役が多かったので、怪獣映画に出られることにまず興奮したし、怪獣という生き物が存在していると信じて毎日演じているわ。実際、昨日は怪獣が目の前にいるというシーンをグリーンバックで撮影したし、怪獣に追いかけられるシーンでは『とにかく逃げろ!』と言われて全力で走った。そんな、いままでやったことのない想像力を必要とする芝居を要求されるので、刺激的ですごく楽しいわ」
周知の通り、チャン・ツィイーと渡辺謙は05年の『SAYURI』以来となる2度目の共演だ。「でも、前回は私が英語をほとんど話せなかったので、コミュニケーションがとれなくて。今回ようやくお互いのことを知ることができたし、謙さんはプロフェッショナルだけど、ユーモアもある方なので、リラックスした状態でお芝居ができるし、とても演じやすい」
怪獣の謎をめぐる、濃密で複雑なドラマ
そんな、キャスト陣も全力で血肉を注いだ『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』はどんな姿をスクリーンに映し出すのか? 詳細が明らかになるにつれて期待が膨らんだ本作をひと足先に観たが、ノンストップでスピーディに駆け抜ける怒濤の展開に圧倒されながらも、神話の怪獣たちがなぜ現代に蘇ってきたのか? の謎をめぐる濃密で複雑なドラマに唸ることもしばしば。
しかも、そこには「いままで作られたすべての『ゴジラ』映画に敬意を払いたい」と語るドハティ監督の過去作に対するオマージュやイースターエッグ(小ネタ)もちりばめられているし、怪獣たちのバトルの見せ方もバラエティに富んでいて、スリルと興奮が最後の最後まで途切れなかった。
往年の『ゴジラ』映画ファンも、本作で初めてゴジラやキングギドラを知るデジタル世代の十代も間違いなく魅了されるだろう。小栗旬も出演する来春公開の『ゴジラVSコング(仮)』との繋がりを明確に見せるラストまで、目にしっかりと焼きつけてほしい。
<Pen+(ペン・プラス)『完全保存版 ゴジラ、再び。』掲載>
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1954年11月3日、日本が世界に誇る唯一無二のキャラクター、ゴジラが誕生した。東京湾から上陸したゴジラが銀座の街を破壊する圧倒的迫力に、観客は心を奪われた。その後、これまでに30作以上のゴジラ映画が製作され、シリーズ累計動員数も、日本だけで1億人を突破。2016年の『シン・ゴジラ』の大ヒットも、記憶に新しい。
そして、ゴジラ生誕65周年となる今年、ハリウッド版ゴジラの最新作であり超大作、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』として、銀幕に再びゴジラが帰ってくる。ゴジラ、ラドン、モスラ、そしてキングギドラ――怪獣たちの壮絶なバトルに息をのむ。マイケル・ドハティ監督が、ゴジラ愛全開でつくった最新作紹介はもちろんのこと、誕生秘話から全作品解説、ライバル怪獣まで、ゴジラのすべてがわかる完全保存版。