日本生まれのインスタントラーメン、韓国で育ち過激な味に 里帰りでブーム呼ぶか?
ジャージャー麺ミックスから、牡蠣入り、あずき入りまで
こうした消費者の味覚が多様化してきていることに合わせ、最近カップラーメンも様々な種類が発売されるようになった。以前は、日本でもおなじみの赤いパッケージに「辛」の字が印象的な辛ラーメンのように、とにかく赤くて辛いスープ味だらけだった。
ところが、最近になって赤くも辛くもないさまざまな味のインスタントラーメンが続々と登場している。韓国でインスタントラーメン市場シェア2位(24%)を占めるオットゥギ社からはわかめラーメン、牡蠣入りチャンポン、あずき麺。プルムウォン社からは豚骨ラーメン味などなど......。コンビニエンスストアやスーパーに行けばこうしたニューフェイスたちが、定番の辛いラーメンとともに並ぶようになった。また、健康志向を受けて、オーガニックインスタントラーメンやノンフライの辛ラーメンなども発売されている。
テレビのバラエティ番組が独自のカスタムラーメンを紹介して、視聴者が試食したことでヒットしたこともある。人気育児番組「パパ、どこ行くの?」で、インスタントラーメン×インスタントジャージャー麺を混ぜ合わせて作った「ジャパグリ」が話題となったり、バラエティー番組「醜い私たちの子」にて、演歌歌手テ・ジナが披露した「牛乳コーララーメン」がSNSで注目され、実際に作ったという強者たちが写真や感想などをアップし話題を呼んだこともある。
日本市場への参入も
さて、韓国グルメと言えばここ数年日本でも「チーズタッカルビ」「チーズハットグ」「ピンス(韓国風かき氷)」など人気を博している。韓国のインスタントラーメンもこの勢いを受けて日本でブームを巻き起こすことができるだろうか。今年1月29日韓国の大手食品会社三養食品が三養ジャパンの設立を発表した。三養食品は、韓国のインスタントラーメン市場で12.9%を占める第3位の会社だ。ちなみに1位は過半数を占める54%の農心で、すでに2002年に農心ジャパンを設立、進出済みである。
三養食品のラーメンといえば、2017年に「ブルダック炒め麺」が大ヒットとなった。辛さに慣れた韓国人ですら辛いと感じるほど激辛の汁なし炒め麺で、チーズ入りやカルボナーラ風味、2倍や4倍の辛さなど、種類も豊富に発売されている。日本でもじわじわと人気が出てきたのは、YOU TUBEなどで多くのユーチューバーが「〜してみた」シリーズにて辛さチャレンジをした動画が多く上がったからだともいわれている。
かつて、韓国に日本のラーメン屋が登場した時、ここでしか食べることができない味を求め行列ができた。そもそも、せっかちな国民性を持つ韓国人が何十分も行列を作る姿を見た時、まるで日本の街角にいるかのような感覚を覚えた。時が過ぎ、今では韓国グルメを求める日本人が日本の街角で何時間も並んでいる。日本発祥のインスタントラーメンが、韓国を経由し逆輸入されて新たな流行を作ることはできるだろうか? 激辛炒め麺のヒットに続く商品を三養食品に期待したい。
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