「メタバース」株式市場で期待の理由、注目の関連11銘柄
■メタバースの今後の課題
このようにさまざまな分野での利用が期待されているメタバースですが、今後に向けた課題もあります。
メタバースのリアルな体験はスマートフォンによるAR(拡張現実)アプリでも可能ですが、やはり、より臨場感のある体験にはVRゴーグルなどの専用のハードウェアの利用が求められます。VRゲームやコンテンツの普及で数年前よりは手頃になってきましたが、高性能な端末は高価なことが多く、一般消費者にはハードルが高いと言えます。
また、ヘッドセットの付け外しなどの手間や、VR空間を視聴することによる目の疲れ、いわゆるVR酔いなどの問題もあります。
ちなみに、米アップル<APPL>はスマートフォンに代わる次世代のハードウェアとしてウエアラブルのゴーグルやVRヘッドセットなどを開発しているとみられ、期待されています。
そのほかにも、リアルなコンテンツの制作に時間・資金がかかるといった問題や、クレジットカード決済などの経済活動が増えることによるセキュリティや法整備をどう担保するかといった問題も、今後の課題となりそうです。
メタバース関連の注目銘柄
このように、メタバースはこれから長期的に投資テーマとして注目される可能性があります。さらに、メタバースは半導体やエンタメ、ゲーム、旅行など様々な業界で今後キーワードとして注目されそうです。
■メタバースで盛り上がる関連業界
米半導体大手のエヌビディア<NVDA>は2021年12月7日、商用展開を開始したメタバース開発プラットフォームの日本での導入支援にSCSK<9719>やNTT(日本電信電話<9432>)、伊藤忠テクノソリューションズ<4739>など24社が参画すると発表しています。
また、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>、カプコン<9697>などの大手ゲーム会社なども、コンテンツ開発力やこれまでに培ったキャラクターのような知的財産権(IP)、ユーザー層といった強みを生かすことで、メタバースの広がりによる恩恵が大きいとされています。
さらに、メタバース空間を構築するためのサーバーや端末などには、当然ながら半導体が多く用いられます。よりリアルな仮想空間の実現のためには演算能力の高い半導体チップや高性能なメモリーなどが不可欠になるため、東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>、SUMCO<3436>などの半導体関連銘柄にとってもプラスとなるでしょう。