株式か投資信託か──自分に向いている資産運用を見極めるには?
投資の神様ウォーレン・バフェットが推奨するのは株式による集中投資だが、分散投資が向いている人もいる Rick Wilking-REUTERS
<ウォーレン・バフェット流の株式を買う集中投資か、ベンジャミン・グレアム流の投資信託による分散投資か。それぞれの特徴をよく知り、どちらが向いているかを考えるべきだ>
株式投資を始める際にまず悩むのが、自分で株式を買うか、それとも投資信託がいいのか、ではないでしょうか。
投資の神様ウォーレン・バフェットは株式による集中投資を推奨していますが、一方で、資産運用は投資信託による分散投資が基本だと言う専門家もいて、「いったい自分はどちらが向いているのかわからない!」と悩んでしまい、最初の一歩を踏み出せないものです。
そこで今回は、株式と投資信託との違いや、それぞれの特徴、留意点などを解説しながら、「あなたにはどちらに向いているのか」をさまざまな角度から考えてみましょう。
いまさら聞けない「株式」「投資信託」の違い
通常の株式投資は、企業が発行する株式をみずから売買します。自分で銘柄を選び、自分で売買のタイミングを決めて注文する必要があります。
それに対して投資信託では、複数の投資家から集められた資金を、ひとつの大きなお金(ファンド)にまとめて、資産運用担当者が株式や債券などに分散投資して運用し、その成果を、それぞれの投資家に投資額の割合に応じて還元する仕組みの金融商品です。
要するに、「運用・管理をすべて任せるかどうか」が株式と投資信託の最大の違いです。
【株式のメリット】
・値上がり益を狙える
・配当金を得られる
・株主優待を得られる......など
個人で取引する場合のコストは、売買する際にかかる手数料だけです。その代わり、銘柄選びや売買のタイミングなどすべてを自分で判断しなければいけないため、ある程度の知識と経験を身につけるための「授業料」が必要になる、と言えるでしょう。
【投資信託のメリット】
・少額から投資できる(積立なら100円〜)
・さまざまな資産に分散投資し、リスクを軽減することが可能
・個人では投資しにくい国や地域、資産に投資できる......など
運用を任せられることが投資信託の最大のメリットですが、それゆえ、信託報酬などのコストがかかります。また、お任せとはいえ、投資信託に元本保証はなく、価格変動によって損失が出るといったリスクはあります(自分で売買する場合のリスクは、言うまでもありません)。
集中投資か分散投資か、それが問題
バフェット流なら株式を
個人で株式を売買する場合、基本的には集中投資になります。
集中投資とは、銘柄を絞って集中的に投資をすることです。選び抜いた銘柄に資金を投じ、売却したときの株価が買値より高ければ、大きな利益が期待できます。一方、株価が買値より下がれば大きな損失を抱えることになります(空売りの場合は逆)。
このように集中投資はハイリターン・ハイリスクですが、投資の神様ウォーレン・バフェットは、集中投資で莫大な富を築きました。また、アメリカの伝説的なファンドマネジャーであるピーター・リンチも「個人投資家なら5銘柄程度に投資をすべきだ」と集中投資を勧めています。