オーバーツーリズム対策、訪日観光客に「特別料金」導入へ...日本の観光政策が変わる
Tourist Policy in Japan Is Changing This Year: What to Know
専門家の見解は?
テネシー大学マーティン校で金融リテラシーを専門とするアレックス・ビーン講師は本誌の取材に対して次のように語る。
「ここ2年で日本は国際的な人気観光地となっていますが、もともと日本はホスピタリティ業界への負担に慣れておらず、ホテルや観光地のキャパシティにも限界があります。観光税などの導入は旅行者を罰するためではなく、資源・リソースを守るための施策です」
アメリカの投資顧問「9i Capital Group(ナインアイ・キャピタルグループ)」の創業者兼CEOでポッドキャスト「9innings」ホストのケビン・トンプソン氏も次のように述べる。
「観光客は今後、観光税などで多少の追加料金を覚悟すべきです。これは世界的にも通貨安が進む国々では、一般的な動きです。自国通貨が割安になると、海外からの旅行客が増え、観光は活性化します。その流入に対する観光税によって一部を回収し、自国の経済を補完することに役立ちます」
また、「ブルームバーグ」誌のコラムニストであるギアロイド・ライディ氏は次のように記している。
「観光客に対して価格を上げる方法はあるが、自治体ごとにばらつきのある施策では混乱を招くだけだ。誰が何をどのように支払うかを国として明確に示せば、大きな反発はないはずだ。姫路城であれば、その4倍でも納得するだろう」
ロイヤリティマーケティング社が実施した全国調査では、6割以上の日本人が観光客への追加料金に賛成と回答している。