キャリアのスタートラインにすら立てなくなるかも...AIが搔き立てるホワイトカラーの雇用不安
White-Collar Recession
この流れの背景には、コロナ禍におけるホワイトカラー産業の急成長がある。組織が成長に合わせて人員を採用したため、人手が十分に足りているのだ。だが最大の要因は、生成AIの進化だという。
「景気循環について言えば現在は高金利のせいで、企業が新規事業や事業の拡大への投資に慎重になっている」と、テラザスは言う。
「構造的な要因としては大規模言語モデル(LLM)や生成AIなどの技術発展、さらにはコロナ禍を経てホワイトカラー職のグローバル化が進んだことが挙げられる。そのため企業は今いる人員でより多くの仕事をこなせるようになり、国外の知識労働者への業務委託も増えた」
AIが代替する仕事とは
2月に労働統計局が発表した最新のデータによれば、昨年12月の1カ月で求人件数は55万6000件減って760万件となり、年間では130万件の減少だった。
12月に全業界で最も大きく落ち込んだのは専門職・ビジネスサービス部門の求人で、22万5000件の減少を記録した。情報の分野では23年12月〜24年12月の1年間に求人件数が7万3000件減り、新規雇用は6000件減った。
その一方で製造、運輸、小売り、医療介護など一般にブルーカラーとされる分野では、この数カ月間に新規雇用が大幅に伸びた。