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人間と組織の本質に迫る名著、『経営者の役割』
──最後に、小栗さんの人生観やキャリアに大きな影響を与えた書籍は何ですか。
特に印象深い一冊は、経営学者チェスター・バーナードの『経営者の役割』です。現代の組織経営論の出発点となった書籍であり、発刊から80年経った今もその存在感は失われていません。「人間とは何か?」「組織とは何か?」を原理から解き明かした名著です。
リンクアンドモチベーションの思想のど真ん中といえる深い内容です。当社の基幹技術は、人や組織の本質論を経営学・社会システム論・哲学・行動経済学・心理学から紐解いた思想のもとに成り立っています。創業者の小笹芳央さんがそのベースにしたという書籍を読むのが好きでしたね。哲学書はかなり読みましたし、ソシュールの言語論や、スピノザの倫理学などもありました。
また、当社の課題図書には『経営者の役割』にくわえ、S.I.ハヤカワの『思考と行動における言語』、シャインの『企業文化』、ドラッカーの『抄訳 マネジメント』などが選ばれています。
──小栗さんは人間や組織の「本質」に迫ることを大事にされているように感じました。
そうですね。もともと当時創業したばかりのリンクアンドモチベーションに新卒で入社したいと思ったのも、「やる気をコンサルティングする会社」という言葉が心に引っかかり、人の本質に迫ったものだと思ったからなんです。学生の頃に野球やクラスの活動を積極的にやっていたので、みんなが本気になったときのエネルギーの爆発力を実感する機会が多くありました。
著書でめざしたのも、時代や環境で変わることのない、働くうえでの本質に迫ったマネジメント論です。今回は企業やマネジャーの視点に立ちましたが、次は、先ほどお話ししたような、社員側の視点に立った「キャリアマネジメント」の本を書けたらと考えています。
小栗隆志(おぐり たかし)
株式会社リンクアンドモチベーション フェロー。
1978年生まれ。2002年、早稲田大学政治経済学部卒、株式会社リンクアンドモチベーション入社(新卒一期生)。人事コンサルタントとして、100社以上の組織変革や採用支援業務に従事。2014年、パソコンスクールAVIVAと資格スクール大栄を運営する株式会社リンクアカデミー代表取締役社長就任。17年、株式会社リンクアンドモチベーション取締役に就任し、経営に携わる。23年より現職。同年、株式会社カルチベートを創業。
flier編集部
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