最新記事
インド経済

印タタ・スターバックス、一部の出店延期 インフレで消費鈍化

2024年12月17日(火)10時55分
ニューデリーのスターバックス店舗

12月16日、 インドの財閥タタ・グループの消費者関連部門のタタ・コンシューマー・プロダクツのスニル・ドソウザ最高経営責任者(CEO)はロイターのインタビューで、米スターバックスとの合弁会社タタ・スターバックスがコーヒー店「スターバックス」の一部出店を延期することを明らかにした。ニューデリーのスターバックス店舗で2023年5月撮影(2024年 ロイター/Anushree Fadnavis)/File Photo

インドの財閥タタ・グループの消費者関連部門のタタ・コンシューマー・プロダクツのスニル・ドソウザ最高経営責任者(CEO)は16日のロイターのインタビューで、米スターバックスとの合弁会社タタ・スターバックスがコーヒー店「スターバックス」の一部出店を延期することを明らかにした。

ドソウザ氏は出店について「短期的に調整する。今年は100店の開業計画だったのを80店にとどめ、来年は100店の計画だったのを120店にするかもしれない」と語った上で、2028年までに計1000店を運営する目標は維持すると明言した。

背景には、インドの都市部に住む中間層が高止まりするインフレに家計が圧迫されているという事情がある。賃金上昇がインフレに追いつかないため、クッキーやコーヒーからファストフードに至るまであらゆる支出を削っている。

タタ・スターバックスは450を超える店舗を運営しており、インド最大のコーヒー店チェーン。直近会計年度の店舗数は4年前の2倍超に膨らんだが、ドソウザ氏は、インドでは交通の便が良い立地の不動産の確保が課題だと説明。出店計画を策定する専門チームを強化するとともに、今後の不動産開発を注視し、出店候補地を事前にリストアップしている。

タタ・スターバックスの直近年度売上高は前年度比12%増の121億8000万インドルピー(1億4360万ドル)だった。一方、純損失は8億ルピーとなり、前年度の2億5000万ルピーから拡大。今年度上半期は前年同期比でわずかな増収にとどまった。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏

ワールド

米、クリミアのロシア領認定の用意 ウクライナ和平で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進

ビジネス

トランプ氏が解任「検討中」とNEC委員長、強まるF
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 6
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 7
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 8
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 9
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 10
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 6
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中