ウェイモやテスラは順調なのに、GMが「自動運転タクシー」から撤退した理由
<ライバルと大差>
クルーズが事故に関する当局の調査に対して、罰金支払いやリコール、是正措置の提出などで問題解決に取り組んでいる間に、ライバルたちは自社の計画を先に進めた。
マスク氏は「サイバーキャブ」と名付けたロボタクシーを2026年に生産すると表明し、ウェイモも事業拡大を継続。クルーズの企業価値が暴落した半面、ウェイモはより多くの資金を調達し、テスラの株価は高騰した。
資産運用会社コビッツのシニア調査アナリスト、ジェーソン・ペティット氏は最近GM株を手放したが、アルファベットとアマゾンの株は継続保有している。「クルーズが軌道を外れている間に、競合他社は前進していた」と述べ、クルーズにとって乗り越えなければならない壁は高かったとの見方を示した。
GMは今後、個人用車両の先進運転支援システムの開発を最優先し、20車種余りで利用できるようにする方針を打ち出した。
サウスカロライナ大学で自動運転分野の法制度問題を研究しているブライアント・ウォーカー・スミス教授は、このような方針はGMが本来の自動車製造・販売に注力し、サブスクリプションサービスを通じてより手っ取り早くキャッシュフローを生み出す方法を後押ししてくれると説明する。
「前払いで大金を借りていってそのままにする人よりは、毎月100ドルをくれる人がいたほうがいいということだ」