ウェイモやテスラは順調なのに、GMが「自動運転タクシー」から撤退した理由
米ゼネラル・モーターズ(GM)が12月10日、自動運転タクシー「ロボタクシー」事業からの撤退を発表し、開発競争を続けている他のメーカーに厳しい現実を突き付けている。写真はGM製の、車椅子でも乗降が可能なロボタクシー。2023年9月、サンフランシスコのイベント会場で撮影(2024年 ロイター/Abhirup Roy)
米ゼネラル・モーターズ(GM)が10日、自動運転タクシー「ロボタクシー」事業からの撤退を発表し、開発競争を続けている他のメーカーに厳しい現実を突き付けている。それは、関連技術を完成させるまで長期にわたって取り組む強い意思と、膨大な資金力が必要不可欠だということだ。
自動運転技術を開発中の各企業は、トランプ次期米政権の下で規制が緩和され、実用化に向けたさまざまなハードルが排除されるのではないかと期待している。
だが今回のGMの動きからは、自動運転車市場の一部を構成するロボタクシー事業は既に幾つもの後戻りを経験し、警戒心の強いドライバーから疑いの目を持たれ、何十億ドルもの資金でも十分ではなかったことがうかがえる。
バーンスタインのアナリストチームはリポートで「GMの決定は、自動運転車の経済合理性が成り立つかどうかという興味深い問題を提起している」と指摘。「経済合理性の成立は可能だが、開発企業が以前のライドシェアのように自前の大規模なネットワークを築こうとするならば、相応の高い技術と多額の資金を投入する積極的な姿勢が求められる」との見方を示した。
GMは100億ドル近くを投資し、昨年には傘下のクルーズを通じたロボタクシーのサービスを開始。一時は業界のトップランナーとして年間500億ドルの収入を生み出す可能性があると期待されたが、依然として赤字体質を脱却できていない。
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