グローバル企業が「人材をかき集めている」...最強の学問「行動経済学」が、ここまで注目されているワケ
──ものすごい行動力ですね!
手探りでしたが、時代の流れに合い、ありがたいことにお客様が着実に増えていきました。その後、世界第3位のマーケティングリサーチ会社からヘッドハントされ、業界初の行動経済学センターを設立し、代表就任へ。欧米の金融、保険、製薬など、あらゆる業界のマーケティングリサーチに行動経済学をどう活かしていくか、ゼロからサービス構築を進めました。
気づいたのは、行動経済学はマーケティングリサーチだけでなく、「人間のビジネス全般」において重要になるということ。そこで会社を退職し、行動科学グループの代表として、行動経済学を含めた行動科学のコンサルティングを展開していきました。
扱う領域は幅広く、アプリの開発もあれば、顧客の資産形成の意思決定支援もあります。大量離職が起こった米国のクライアント企業では、従業員のエンゲージメント向上施策の提案もしました。
めざしたのは「行動経済学の理論を体系化した本」
──その後、どんな経緯で『行動経済学が最強の学問である』の執筆に至ったのでしょうか。
きっかけは、SBクリエイティブの編集者から届いた、一通の日本語のメールです。普段ビジネスのやりとりはすべて英語だったので、目を引きました。依頼内容は、「これまでの行動経済学の研究と実践をベースに本を書いてほしい」というものでした。