自動車メーカー、トランプ新政権の関税やEV政策転換に身構え
中国からの自動車輸入は阻止したい考えだが、米国内で製造する中国自動車メーカーには門戸を開いている。
トランプ氏は8月、ロイターに対し「インセンティブを与えるつもりだ。中国やその他の国々がここに来て自動車を販売したいのであれば、ここで工場を建設し、わが国の労働者を雇用することになるだろう」と語った。
建設地選定会社ストラテジック・デベロップメント・グループのマーク・ウィリアムズ社長は、自社への需要は高まりそうだが、関税はコスト増につながる可能性が高いと指摘。「自動車メーカーに供給する部品や部材の製造システムから中国を排除し、メキシコやその他の国が代替できないのであれば、米国でどこまで対応できるのか分からない。中国が閉め出されれば、これまで以上にメキシコが必要になるだろう」と述べた。
韓国政府高官は6日、トランプ氏が関税の引き上げを実施した場合、自国企業による米国投資が増えるとの見通しを示した。
ホンダの青山真二副社長は、メキシコにおける同社の生産能力は年間約20万台で、その80%が米国市場に輸出されていると説明。米国がメキシコからの輸入車に恒久的な関税を課せば、ホンダは生産拠点の移転を検討せざるを得ないだろうと述べた。
トヨタ自動車はメキシコの2工場でトラック「タコマ」を生産しており、昨年は米国で23万台以上を販売した。
トヨタに近い関係者は、トランプ氏がメキシコからの輸入に高関税を課した場合、同社はタコマなどの生産拠点を米テキサス州サンアントニオに移す可能性があると述べた。トヨタの広報担当者はコメントを控えた。
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