最新記事
米大統領戦

民主党、トランプ氏の一方的勝利宣言に危機感

2024年11月5日(火)13時52分
トランプとハリス

11月5日の米大統領選で、共和党候補のトランプ前大統領が結果確定前に早々と勝利を宣言する事態を想定し、民主党側は素早くソーシャルメディアやテレビで静観を呼びかける準備をしている。写真はトランプ氏(左)とハリス氏。フィラデルフィアで9月に行われた討論会で撮影(2024年 ロイター/Brian Snyder)

5日の米大統領選で、共和党候補のトランプ前大統領が結果確定前に早々と勝利を宣言する事態を想定し、民主党側は素早くソーシャルメディアやテレビで静観を呼びかける準備をしている。同党高官らや、同党候補であるハリス副大統領の陣営幹部らがロイターに明らかにした。

選挙専門家らによると最終結果が出るのは投票日の数日後になる可能性があるが、トランプ氏は最近記者団に、投票当日に勝利宣言ができることを望むと述べた。

ハリス氏は10月30日にABCテレビのインタビューで、トランプ氏が早々に勝利宣言をした場合に「対応する準備はできている」と語った。

ハリス氏は準備の具体的な内容に触れなかったが、民主党とハリス陣営の幹部計6人への取材によると、まずはソーシャルメディアとテレビで一斉に、開票集計が全て終わってから勝利を宣言すべきだと訴える運動を展開する計画だ。

民主党全国委員会の最上級幹部はインタビューで「(トランプ氏が)虚偽の勝利宣言をすればすぐに、われわれはテレビで真実を伝え、影響力の強い人々のネットワークを動員して抵抗する用意がある」と述べた。

ハリス陣営の上級幹部は11月1日の記者会見で、トランプ氏が5日夜に虚偽の勝利宣言をすることは「完全に織り込んでいる」とし、「彼は以前もそれをやって失敗したが、今回またやれば、失敗するだろう」と述べた。

トランプ氏は2020年の大統領選で、投票翌日の早朝に勝利を宣言したが、主要テレビ局が選挙結果を確定的に報じたのはその3日後だった。トランプ氏は結局、バイデン大統領に敗れた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏

ワールド

米、クリミアのロシア領認定の用意 ウクライナ和平で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進

ビジネス

トランプ氏が解任「検討中」とNEC委員長、強まるF
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 6
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 7
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 8
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 9
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 10
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 6
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中