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日本のウェルスマネジメントは欧米とどう違う?...MUFGが「今こそ必要」と考える理由

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2024年10月1日(火)17時00分
写真:殿村誠士 文:酒井理恵
田中琢哉(МUFG常務執行役員ウェルスマネジメントユニット長)

田中琢哉氏(МUFG常務執行役員ウェルスマネジメントユニット長)

<幅広いニーズに対応する、オーダーメイド型の金融サービス「ウェルスマネジメント」。なぜ注目されるのか、その背景にある社会課題、顧客ニーズの多様化とは?>

前人未到の投打二刀流で活躍したかと思えば、今シーズンは本塁打と盗塁の同時量産で記録を更新。ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手は、野球界で新たな道を切り開いてきた。彼は三菱UFJフィナンシャル・グループ(МUFG)の一員である三菱UFJ銀行のブランドパートナーでもある。

МUFGもまた、日本で「ウェルスマネジメント」を確立させるべく、金融界で新たな道を切り開いてきた。だが、ウェルスマネジメントとは何なのか、なぜ重要なのか――。МUFG常務執行役員ウェルスマネジメントユニット長の田中琢哉氏に話を聞いた。

――ウェルスマネジメントとは、どのようなサービスか。

田中:富裕層が持つ資産を包括的に管理するサービスの総称です。富裕層向けにプライベートバンキングで提供していた海外送金や決済・貸付サービス等から派生したサービスで、ウェルスマネジメントは、専門的な資産運用や資産・事業の承継、M&A、不動産の売買・有効活用、資金調達など、より幅広いニーズに対応していくサービスと私たちは定義しています。

1980年代後半から外資系金融機関が日本市場へ本格的に進出、サービス展開するようになりました。その前後から、国内金融機関も参入をしましたが、日本ではなかなか定着には至りませんでした。

――日本で定着しなかったのはなぜか。海外と比較して、日本の富裕層にはどのような特徴があるのか。

田中:日本人は投資に消極的と言われますが、日本では長らくの間、デフレであったことも要因の1つにあると考えています。約2200兆円の日本の個人金融資産のうち50%程度が現預金と言われています。現預金水準の高さは資産形成への関心の低さを表しており、個人差はありますが、富裕層に限っても同様の傾向が見られます。

日本の富裕層は高齢者の割合が高く、セーフティネットも充実していることからも、自立的な資産形成の重要性に関する意識が醸成されにくかったと考えられます。

欧州の富裕層は産業革命や植民地時代を通じて資本を蓄えながら代々続いてきた家系が多く、アメリカでは独立以降、数多くの企業経営者が成功を収め新たな富裕層を生み出してきました。一方、日本の富裕層の起源は江戸時代の商人階級や明治維新後の財閥や資本家が中心と言われ、現在では富裕層の約3分の1が事業オーナーです。加えて、日本の贈与税・相続税は欧米と比べ高い水準にあります。そのため、「後継者不在による事業承継への不安、相続対策を金融機関に相談したい」というニーズも高く、この点は日本のウェルスマネジメントの特徴と言えます。

田中琢哉(МUFG常務執行役員ウェルスマネジメントユニット長)

――昨今、ウェルスマネジメントが注目される理由とは。

田中:社会構造の変化により、金融機関に求めるニーズが多様化しているからでしょう。経営者の高齢化が進んだことで顕在化した後継者不足は、今や社会課題の1つとなっています。多くの経営者は、早急な後継者の育成、M&Aによる第三者への事業承継、親族間の相続対策、廃業......と、複雑な選択を迫られています。

その一方、若くして財を成す人も増えています。スタートアップの経営者など、従来の富裕層とは異なる価値観やビジネスモデルを形成するようになりました。お客さまにより、求める資産形成のプロセスや資産の守り方、将来への想いは千差万別です。そのため対話を繰り返しながら最適解を共に見つけていく、オーダーメイド型の金融サービスが重要な時代になりました。

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