嫌なことを本当に我慢しなくてはいけないのか...成功者は知っている「コンフォート・ゾーン」とは?
「成功するために、イヤな思いをするのは当然でしょ」とあなたは言い、それが真実かどうかさえ確かめようとしない。「そんなの時代遅れよ」と私は思うけれど、その考え方が広く受け入れられて、時代遅れな世界を生み出している。
そうかな? と疑問に思うなら、よくあるこんな事例に目を向けてほしい。
・私たちはつらい仕事や犠牲をほめたたえ、どんな代償を払っても、目標を目指して頑張っている。でも、死の床で「もっと頑張って働けばよかった」と言う人はいない。それどころか、「大切な人たちともっと一緒に過ごせばよかった」「もっとくつろげばよかった」「もっと旅をすればよかった」「もっと人とつながればよかった」「もっと心地よいことをすればよかった」と後悔する。
つまり、真っ当な世界なら、人間関係やつながり、くつろぐことや楽しいことを優先するはずだ。ところが、時代遅れな世界では、自分にとって何より大切なものを喜んで犠牲にしてしまう。
・私たちは夢をかなえようと、自分の外に目を向ける。でも、自分が向かうべき方向を知っているのは自分だけだ。真っ当な世界では、神さまの導きを求めて、自分自身の声に耳を傾ける。
ところが、時代遅れな世界では、その導きを疑って、「道を示してほしい」と他人に頼ってしまう。その結果、多くの人が道に迷って、行き詰まっている。
・私たちはほとんどの時間、世の中のどこがおかしいのか、何がうまくいっていないのか、自分が何に反対しているのか、そんなことばかりに目を向けている。いつ何時でもテレビをつければ、自分を取り巻く最悪の事態に、何時間でも釘づけになっていられる。同時に、自分は、どこに注意を向けるかによって現実を自由に創造できる意志を持つ存在だ、と認めることもできる。
うまくいっていないことを観察するのに注意やエネルギーを注ぎながら、一体どうやって美しくて正しい、どんどん拡大していく世界をつくれるだろう? 真っ当な世界では、人は問題ではなく解決策に目を向ける。問題に注目すれば、さらに問題を生み出すだけ、と知っているからだ。
おそらく、時代遅れな世界で生きる、とくに害のある要素の1つは、不快なことを美化して、コンフォート・ゾーンで生きる人たちを辱めること。
でも、ほとんどの人が人生に不満そうだなんて、おかしくないだろうか? 自分がどこにいて、どういう人間で、何をしているかにずっと不満なままなのは、「コンフォート・ゾーン撲滅運動」の成果にほかならない。まったくどうかしている。
クリステン・バトラー(Kristen Butler)
作家、ジャーナリスト。全世界で5000万人以上のフォロワーを持つオンラインコミュニティ「The Power of Positivity」の創設者兼CEO。幼い頃からパニック障害などに見舞われ続けた経験をもとに、ありのままの自分を大切にする考え方を伝授する「The Power of Positivity」を設立し、10年以上にわたって「人生をよく生きること」について考察してきた。アメリカ・ペンシルベニア州出身。
『COMFORT ZONE 「居心地のいい場所」でこそ成功できる』
クリステン・バトラー[著]
長澤あかね[訳]
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