米空前の住宅バブルは与党候補ハリスに有利に働く?──研究論文
HOME COSTS AND VOTERS
住宅価格の変動は、7つの激戦州(アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、ウィスコンシン)でも特に接戦が予想される郡で、有権者の行動により大きな影響を与えていた。
この点だけを見ると、激戦州の住宅所有者は11月にジョー・バイデン大統領に投票する可能性が高いと考えられた。その後バイデンが選挙戦から撤退し、ハリスが民主党候補に選ばれており、同じ理論がハリスに有利に働くかもしれない。
「有権者は投票所で決断する際に、自分の経済状況を考慮する」と、研究の共同執筆者であるアラバマ大学のアラン・ティドウェル准教授(金融学)は本誌に語った。
「一般に、経済が繁栄しているときは現政権の党が有利で、景気が低迷しているときは野党の支持が高まる。同じように、住宅価格に関する今回の研究結果は、住宅用不動産の価格の動向が、国政選挙に限定的ながら現実的かつ重大な影響を与えることを示唆している」
「有権者は住宅価格の上昇、つまり住宅資産の価値に好意的に反応し、現職の候補と政党のおかげだと考える傾向がある」とティドウェルは続ける。「再選を目指す現職候補と政党は共に恩恵を得るが、その効果は現職候補のほうがより顕著だ」
ハリスは現職候補ではないが、4年間、副大統領を務めてきたという事実が、少なくとも住宅所有者に関してはトランプより優位になる可能性が高い。