最新記事
米大統領戦

米空前の住宅バブルは与党候補ハリスに有利に働く?──研究論文

HOME COSTS AND VOTERS

2024年10月10日(木)10時13分
ジュリア・カーボナロ(本誌記者)

住宅価格の変動は、7つの激戦州(アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、ウィスコンシン)でも特に接戦が予想される郡で、有権者の行動により大きな影響を与えていた。

この点だけを見ると、激戦州の住宅所有者は11月にジョー・バイデン大統領に投票する可能性が高いと考えられた。その後バイデンが選挙戦から撤退し、ハリスが民主党候補に選ばれており、同じ理論がハリスに有利に働くかもしれない。


「有権者は投票所で決断する際に、自分の経済状況を考慮する」と、研究の共同執筆者であるアラバマ大学のアラン・ティドウェル准教授(金融学)は本誌に語った。

「一般に、経済が繁栄しているときは現政権の党が有利で、景気が低迷しているときは野党の支持が高まる。同じように、住宅価格に関する今回の研究結果は、住宅用不動産の価格の動向が、国政選挙に限定的ながら現実的かつ重大な影響を与えることを示唆している」

「有権者は住宅価格の上昇、つまり住宅資産の価値に好意的に反応し、現職の候補と政党のおかげだと考える傾向がある」とティドウェルは続ける。「再選を目指す現職候補と政党は共に恩恵を得るが、その効果は現職候補のほうがより顕著だ」

ハリスは現職候補ではないが、4年間、副大統領を務めてきたという事実が、少なくとも住宅所有者に関してはトランプより優位になる可能性が高い。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

物価、1年後に「上がる」は85.6% 値上げ続き高

ワールド

中国、人口変動に関する標本調査を実施 経済・社会政

ビジネス

米テスラの中国製EV販売台数、9月は前年比19%増

ワールド

ハリケーン「ミルトン」が米フロリダ州上陸、複数の死
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米経済のリアル
特集:米経済のリアル
2024年10月15日号(10/ 8発売)

経済指標は良好だが、猛烈な物価上昇に苦しむ多くのアメリカ国民にその実感はない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた「まさかのもの」とは?
  • 2
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはどれ?
  • 3
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 4
    戦術で勝ち戦略で負ける......「作戦大成功」のイス…
  • 5
    ウクライナ軍がミサイル基地にもなる黒海の石油施設…
  • 6
    ストームシャドウ、GMLRSでロシア軍司令部を「首尾よ…
  • 7
    2匹の巨大ヘビが激しく闘う様子を撮影...意外な「決…
  • 8
    神田伯山が語る25年大河ドラマ主人公・蔦屋重三郎「…
  • 9
    ロシア戦車が次々炎上、ウクライナ軍の「ドラゴンド…
  • 10
    「自由に生きたかった」アルミ缶を売り、生計を立て…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティアラが織りなす「感傷的な物語」
  • 3
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた「まさかのもの」とは?
  • 4
    借金と少子高齢化と買い控え......「デフレ三重苦」…
  • 5
    アラスカ上空でロシア軍機がF16の後方死角からパッシ…
  • 6
    【独占インタビュー】ロバーツ監督が目撃、大谷翔平…
  • 7
    2匹の巨大ヘビが激しく闘う様子を撮影...意外な「決…
  • 8
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 9
    ウクライナ軍がミサイル基地にもなる黒海の石油施設…
  • 10
    NewJeansミンジが涙目 夢をかなえた彼女を待ってい…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 3
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 4
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 5
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 6
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 7
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 8
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 9
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティ…
  • 10
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感.…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中