高まる経済・市場の変動リスク...見通し悪化や中銀政策転換で
中国への懸念
懸念をさらに強める要因となっているのが中国だ。
中国はデフレの瀬戸際にあり、長期にわたる不動産危機に直面している。債務も急増し、消費者・企業マインドは冷え込んでいる。
第2・四半期の国内総生産(GDP)は予想を下回り、中国人民銀行(中央銀行)は先月、予想外の利下げを迫られた。IMFが中国の経済成長予測を下方修正する可能性が高まっている。
IMFのグランシャ氏は「中国は世界経済で大きな役割を果たしている。中国の成長鈍化は世界の他の地域に波及する」と指摘した。
米中経済の減速の兆しがさらに強まれば、すでに需要低迷に見舞われている世界の製造業の先行きが一段と悪化する。
ブラジルなど資源が豊富な新興国は、中国経済の減速で金属や食品の輸出が打撃を受ける恐れがあるが、輸入価格の下落でインフレ圧力が和らぐ可能性もある。
ブラジル中銀のカンポス・ネト総裁はジャクソンホール会議で「差し引きでどのような影響があるかは、減速の程度に左右される」と述べた。
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