朝日新聞の名文記者が「多読」を自慢しない理由【勉強法】
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<コミュニケーション能力を伸ばすには読書だが、効果的に成長するための究極のツールとは?>
朝日新聞の名物記者として知られる近藤康太郎氏のもとには、〈仕事〉の方法を学ぼうと若い記者が集まる。その場では〈仕事〉のみならず〈勉強〉の仕方が指導される。
組織、ひいては社会で、自分がしたい仕事をさせてもらえるようになるには、〈勉強〉と〈遊び〉こそ真剣にしなくてはならない。そして、多くのひとが言語コミュニケーションを駆使して〈仕事〉をする現代において、〈勉強〉とは本を読むことである。
〈仕事〉〈勉強〉〈遊び〉の三要素を磨く理由と、三要素がご機嫌な人生に結びついていくプロセス書いた『ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論』(CCCメディアハウス)より、誰でも真似できる〈勉強〉法を取り上げる。
「年間百冊以上、読んでいる」は自慢にならない
〈勉強〉として文字を読むならば、紙の「本」に限ります。電子書籍や、新聞、雑誌、ネットにユーチューブ、SNSじゃだめなんです。
本は、遅い。本は、高い。難しい。分からない。そう思っている人は、ぜひ、前著の『百冊で耕す』を読んでほしい。本は、いちばん手軽で、いちばん速く読める。安い。難しいかもしれないけれど、「分からない」でもいいんです。いや、分からなくさせるのが、本の真骨頂です。
〈勉強〉は、紙の本に限る。理由は、前著にくわしく書いてあります。ここではその方法論を要約して書くと、①海外文学②日本文学③社会科学もしくは自然科学④詩集の四ジャンルの「古典」を、一日十五分、合計で一時間、読む。毎日読む。これです。「古典」とはなにもアリストテレスや源氏物語だけではなく、「死んだ人」の作品ならば「古典」としてとらえてよい、としましょう。ゲームのルール。
紙の本も、漫然と読んでいればいいわけではない。「年間百冊以上、読んでいる」と自慢する人がいますが、おそらくそれは、読みやすい本、自分の頭に入ってくる本を読んでいるんじゃないでしょうか。言い換えれば、すでに知っていることを読んでいる。
まさかと思うけれど、ドゥルーズや西田幾多郎やアインシュタインの本を、一日一冊ペースで読めるわけではないですよね。そんな人って、世界にいるんでしょうか?ですから、年間に百冊も読める人は、読む本を変えたほうがいいです。