最新記事
ネット通販

今年の年末商戦は中国の激安通販サイトTemuやTikTokショップが世界を席巻? アマゾンやアリババの脅威に

2023年9月26日(火)18時36分
ロイター

西側諸国の年末商戦や中国の「独身の日」商戦では、中国の格安通販サイトが市場を席巻しそうだとアナリストは指摘する。写真はTemuのロゴ。4月撮影(2023年 ロイター/Florence Lo)

西側諸国の年末商戦や中国の「独身の日」商戦では、中国の格安通販サイトが市場を席巻しそうだとアナリストは指摘する。

世界最大の電子商取引市場である中国では、経済不安や新型コロナウイルス後の景気回復の遅れを背景に通販サイトが「金額に見合う価値を届ける競争」を展開している。

東南アジア、北米、欧州でも中国のPDDホールディングス傘下の「Temu(ティームー)」や字節跳動(バイトダンス)傘下の「TikTokショップ」など、中国発の安価な商品を販売する急成長サイトが快進撃を見せている。

これまで多数の消費財を輸出してきた中国だが、足元では「通販サイトの輸出」という新たなトレンドが起きており、世界のネット通販市場を揺るがしている。

こうした格安通販サイトが活況を呈している一因が、各国のマクロ経済情勢だ。中国経済の先行き不透明感や米欧の物価高で消費者が財布のひもを締めているという事情がある。

中国の格安通販サイトである「SHEIN(シーイン)」やTemuはカナダ、オーストラリア、中南米、一部のアジア諸国などで事業を展開。シェア拡大のため、多額の資金を投じて加盟店への補助や値引きを行っている。ターゲットは、高級品よりも10ドルのドレスや5ドルのヘッドホンを手に入れることに喜びを感じる消費者だ。

対する米アマゾンは、10月10─11日にショッピングイベント「プライム・ビッグ・ディール・デイズ」を開催し、値引きを強化する。

こうした値引き合戦は多くの国で激化する可能性が高い。米国に進出したTikTokショップはすでに年末商戦の大幅値引きを加盟店に準備させている。値下げする加盟店には手数料を免除し、販売商品をアマゾンからTikTokショップに移すよう呼びかけている。

TikTokショップの参入で安価な商品が氾濫することを警戒するインドネシア政府は、既存の商店を守るため、ソーシャルメディア上の電子商取引を全て禁止することを検討している。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ルペン氏に有罪判決、次期大統領選への出馬困難に 仏

ビジネス

金、3100ドルの大台突破 四半期上昇幅は86年以

ビジネス

NY外為市場・午前=円が対ドルで上昇、相互関税発表

ビジネス

ヘッジファンド、米関税懸念でハイテク株に売り=ゴー
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 9
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 10
    「関税ショック」で米経済にスタグフレーションの兆…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中