最新記事
経営

やっぱりオフィスで働きたい...!「出社したくなるオフィス」3つの特徴

2023年8月31日(木)21時00分
山口ヨシカズ ※経営ノウハウの泉より転載
オフィス

ferrantraite-iStock.

<誰もがテレワークを望んでいる、というのは本当か。テレワークのデメリット、出社率向上のカギは?>

新型コロナウイルスの感染拡大以降、テレワークの普及が進み、働き方に大きな変化が訪れました。しかし、感染症法の分類が2類から5類に引き下げられた2023年5月以降も、出社率はコロナ前の水準まで戻っていないようです。

この記事では、どうすれば社員に出社を促すことができるのか、オフィス環境に焦点を当てて解説します。

出社率が新型コロナ5類移行後も元に戻らず

2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2類から5類に移行しました。これに伴ってテレワークから出社へと舵を切った企業も多いでしょう。

東京都が定期的に実施している『テレワーク実施率調査』によると、2023年5月と6月の都内でテレワークを実施している企業の割合は共に44.0%でした。コロナ前の2020年3月の調査では24.0%だったので、現在でもテレワークを導入している企業はコロナ前よりも多いといえます。

実際にテレワークを実施した社員の割合は、6月が35.8%で、5月の38.2%に比べて、2.4ポイントの減少となりました。減少傾向にはありますが一斉に出社を始めたということはなく、全体の統計を見てもオフィスへの出社率は比較的緩やかな上昇となっています。3年にもわたるコロナ対策によりテレワークがある程度定着した可能性があります。

【参考】テレワーク実施率調査結果 6月/東京都

出社率が下がるとどうなる?

テレワークが普及し、多様な働き方が推進されるのは、育児や介護との両立や通勤時間の削減など、さまざまな面で効果的であることは間違いありません。

しかし、テレワークにもデメリットがあります。テレワークを行う社員が増えて出社率が下がった場合、以下のような3つの問題が発生しやすくなります。

■デメリット1:コミュニケーションが乏しくなる

出社率が下がると、社員間で直接行うコミュニケーションが減少します。テレワークでも、ITツールを使えば業務に必要なコミュニケーションをすぐに取れますが、業務に必要のないカジュアルな雑談などは有意に減少するでしょう。

また、ITツールは非言語的なコミュニケーションといった、表情やジェスチャー、トーンなどの情報が欠けるため、メッセージが冷たく感じたり、相手が不機嫌になっていると誤解する場合が発生したりします。これは社員のメンタルヘルスやチームの連携に影響を及ぼす可能性があります。

■デメリット2:勤怠管理が難しくなる

テレワークはワークライフバランスに有効な働き方ですが、運用の仕方を間違えると逆にワークライフバランスが崩れてしまうことがあります。

テレワークの社員が増えると正確な勤怠管理や勤怠の把握が難しくなることがあります。出社していたら仕事の持ち帰りを禁じるなど、勤務時間と就業後のメリハリをつけやすくなりますが、テレワークだと勤務時間外に作業していないかわかりにくくなるでしょう。

その結果、違法性の高い長時間労働やサービス残業を誘発する可能性が高くなります。

とくに、仕事熱心な社員や上昇志向の強い社員はついつい就業後も作業を続けてしまう傾向にあります。"ワーク"と"ライフ"にメリハリをつけたい場合は、出社させるほうが効果的といえるでしょう。

(参考記事)「来たくなるオフィス」を体現。事業拡大を続ける株式会社アドウェイズ代表取締役社長・山田翔氏にインタビュー

キャリア
企業も働き手も幸せに...「期待以上のマッチング」を実現し続ける転職エージェントがしていること
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中