最新記事
経営

やっぱりオフィスで働きたい...!「出社したくなるオフィス」3つの特徴

2023年8月31日(木)21時00分
山口ヨシカズ ※経営ノウハウの泉より転載

■デメリット3:社内に溝ができてしまう

出社率が下がると、人事評価が難しくなる可能性があります。テレワークだと、直接社員の働きぶりを見ることができないので、適切な評価や指導が難しい場合があるためです。そのため、出社して働きぶりが見えている社員を好意的に評価してしまう場合もあります。

テレワークを行っている社員のなかには、人事評価について不公平に感じやすくなる人もいるでしょう。これは、先述したコミュニケーションの問題により、社内の情報や意志決定の中心が出社している社員に偏りやすいため、テレワークの社員が疎外感を持ってしまうのが一因です。

さらに、出社している社員ばかりが評価されていると、余計に不公平感が増幅してしまい、モチベーションを下げる原因となってしまいます。

出社したくなるオフィスに共通する3つの特徴

「自社にテレワークがフィットしないため、縮小して出社率を増やしたい」と考えている経営者も多いでしょう。しかし、テレワークを縮小し、出社率を増加させようと思っても社員が難色を示す場合があります。

テレワークが定着しているのは、出社することに比べてテレワークの方がメリットを感じている社員が多いからです。出社率を増加させるには、"社員が出社したくなるオフィス"にすることが必要だと考えられます。

では、社員が出社したくなるオフィスとはどのようなオフィスなのでしょうか。出社したくなるオフィスには、主に3つの特徴があります。

■特徴1:良好な作業環境

良好な作業環境は、社員の出社意欲を高める重要な要素です。居心地の悪いオフィスは出社するだけで億劫な気分になりますが、居心地のよいオフィスならば、出社への心理的なハードルを下げられます。

オフィスの居心地のよさは以下のような要素が関係します。

1. 適切な明るさと色の照明
2. 適切な温度に保たれた空調
3. 不快な騒音が発生せず、かつ、静かすぎないこと
4. 必要十分な広さの作業スペース
5. リラックススペースの有無
6. アクセスしやすい社内設備

とくに、3番の"音問題"については、オンラインでの社外会議をしている人が増え、他の会議の声が入ってしまうということがよくあります。そのような状況では、社員が「せっかく出社したけど、音がうるさい......自宅の方がよかった」と思ってしまう社員もいるかもしれません。

そのような状況を避けるためにも、会議室の数を見直すことや、個別のテレカンブースの設置、遮音性のパーティションを設けるなどの工夫が必要でしょう。

■特徴2:高いスペックの設備

出社しての作業を億劫に感じさせる理由の一つに、パソコンなど設備のスペックが低すぎるという問題があります。とくにエンジニアやデザイナーなどパソコンのスペックが生産性に直接関係するような職種では、低スペックな設備はストレスが溜まってしまうでしょう。

たとえば、昇降式のデスクや複数の画面で作業できるマルチモニター、集中して作業に取り組める個別ワークスペースがあると喜ばれるでしょう。

(参考記事)働きやすいオフィスは「社員全員」でつくる!オフィスカイゼン活動の進め方とは

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ドイツ銀、28年にROE13%超目標 中期経営計画

ビジネス

米建設支出、8月は前月比0.2%増 7月から予想外

ビジネス

カナダCPI、10月は前年比+2.2%に鈍化 ガソ

ワールド

EU、ウクライナ支援で3案提示 欧州委員長「組み合
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 8
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 9
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 10
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中