最新記事
貿易

中国、半導体材料ガリウムとゲルマニウム製品の輸出管理強化へ 日本政府「不当な措置はWTOなどで適切に対応」

2023年7月4日(火)12時10分
ロイター
半導体の基盤とアメリカと中国の国旗

中国商務省は、一部のガリウムとゲルマニウム関連製品の輸出管理を強化すると発表した。Florence Lo / REUTERS

中国商務省は3日、一部のガリウムとゲルマニウム関連製品の輸出管理を強化すると発表した。国家安全保障と利益を守るためとしている。

ガリウムとゲルマニウムは半導体の材料で、中国政府が戦略金属に分類している。

商務省の声明によると、8月1日以降、8種類のガリウム関連製品(アンチモン化ガリウム、ヒ化ガリウム、金属ガリウム、窒化ガリウム、酸化ガリウム、リン化ガリウム、セレン化ガリウム、ヒ化インジウムガリウム)、6種類のゲルマニウム製品(二酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムエピタキシャル成長基板、ゲルマニウムインゴット、ゲルマニウム金属、四塩化ゲルマニウム、リン化ゲルマニウム亜鉛)は輸出許可を得る手続きが必要になる。許可なく輸出したり、許可された量を超えて輸出した場合は処罰される。

米政府は高性能マイクロチップの対中輸出を巡り新たな制限を検討中とされ、中国の規制強化で米中のハイテク戦争はさらにエスカレートしている。

また米国とオランダは今夏、半導体製造技術の軍事転用を避けるため、半導体製造装置の対中輸出制限を強化する。

日本政府の対応

西村康稔経産相は4日午前の閣議後会見で、中国政府が前日に発表したガリウムやゲルマニウムなど半導体製造に使う鉱物資源の輸出規制について、中国側に意図や運用方針を確認する考えを明らかにした。

西村氏は「仮にわが国に対し、WTO(世界貿易機関)などの国際ルールに照らして不当な措置が講じられているということであれば、ルールに基づいて適切に対応していきたい」と述べた。

日本は5月、先端半導体製造装置の輸出管理を強化する措置を公布している。西村氏は中国の規制について「(日本の措置に)関連して講じられたものとは承知していない」と語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

社会的価値創造
「子どもの体験格差」解消を目指して──SMBCグループが推進する、従来の金融ビジネスに留まらない取り組み「シャカカチ」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 9
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中