米ツイッター、スレッズめぐりメタを提訴? 弁護士がザッカーバーグへ書簡
米メタ・プラットフォームズの新サービス「Threads(スレッズ)」を巡り、ツイッターが同社を提訴する可能性を示唆したと、ニュースサイト「セマフォー」が報じた。写真はスレッズとツイッターのロゴ。同日撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic)
米メタ・プラットフォームズの新サービス「Threads(スレッズ)」を巡り、ツイッターが同社を提訴する可能性を示唆したことが分かった。ツイッターの弁護士アレックス・スピロ氏が、メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)に書簡を送った。
スレッズはツイッターに対抗するサービスで、メタの画像共有アプリ「インスタグラム」の基盤を活用している。5日の開始後、登録件数は3000万件を突破した。
ニュースサイト「セマフォー」によると、スピロ氏は書簡で、ツイッターの機密情報にアクセスできる元従業員をメタが雇用したと非難。「ツイッターは知的財産権を厳格に行使する意向だ。メタに対し、ツイッターの企業秘密など機密性の高い情報の使用を停止する措置を直ちに取るよう求める」と述べた。
書簡について知る関係者はロイターに対し内容を確認した。スピロ氏はロイターのコメント要請に応じていない。
メタの広報担当者、アンディ・ストーン氏は「スレッズのエンジニアリングチームにツイッターの元社員はいない」とスレッズに投稿した。
ロイターが取材したツイッターの元社員はスレッズに携わっている元従業員も、メタに移籍した幹部の存在も全く知らないと語った。
一方、ツイッターのオーナーであるイーロン・マスク氏は、このニュースを引用したツイートに対し「競争はいいが、不正はダメだ」と述べた。
マスク氏による買収後、ツイッターは「マストドン」や「ブルースカイ」などとの競争に直面しているが、スレッズはユーザーインターフェースがツイッターと似ている。
一方、スレッズはキーワード検索やダイレクトメッセージには対応していない。知財法の専門家らは、メタに企業秘密を盗まれたとツイッターが主張するには、書簡の内容よりはるかに多くの詳細が必要だと指摘する。
米スタンフォード大学のマーク・レムリー法学教授は「単にツイッター元社員を採用したり、やや似通ったサイトを作ったという事実だけでは、企業秘密の窃盗という主張の裏付けにはならない」と述べた。