日産、27日に退任したグプタ前COOの自宅に監視カメラを設置 社内セキュリティーチームが監視
日産自動車の内田誠社長がアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)執行役員(27日付で退社)を監視していたとの内部告発があった問題で、グプタ氏の自宅に同社が監視カメラを設置し、情報などを管理する社内のセキュリティチームがモニターできるようにしていたことが分かった。写真は日産グローバル本社。2018年11月、神奈川県横浜市で撮影(2023年 ロイター/Toru Hanai)
日産自動車の内田誠社長がアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)執行役員(27日付で退社)を監視していたとの内部告発があった問題で、グプタ氏の自宅に同社が監視カメラを設置し、情報などを管理する社内のセキュリティチームがモニターできるようにしていたことが分かった。
事情を知る関係者2人が明らかにした。取締役らに先週示された内部告発に関する調査の初期報告に盛り込まれていたという。
取締役らが初期報告の説明を受けたのは、6月20日に横浜本社で開かれた取締役会。初期報告は内田社長兼最高経営責任者(CEO)が長期にわたってグプタ氏を監視したとするハリ・ナダ専務執行役員の内部告発を調査したもので、米法律事務所のデービス・ポーク・アンド・ウォードウェルがまとめた。取締役会では、グプタ氏に浮上していたハラスメント疑惑の調査についても話し合われたという。
ナダ氏の内部告発については、ロイターが24日に詳細を報じた。ナダ氏は独立社外取締役などに送った告発文書の中で、内田氏は仏ルノーとの関係見直し協議の条件に疑問を呈していたグプタ氏を排除しようとしたと主張している。
同関係者2人によると、内部告発に関する調査の初期報告は、都内にあるグプタ氏の自宅玄関に2台の監視カメラが設置されていたと説明。1台は警備会社の防犯カメラ、もう1台は日産のセキュリティチームがグプタ氏をモニターするために設置されていたと記していた。
同関係者らによると、日産が監視カメラを使ってグプタ氏を監視したことが違法かどうか初期報告は触れていない。監視されていることをグプタ氏が認識していたかどうかも詳細には説明していなかったという。ロイターはカメラの設置時期、もう一台のカメラを管理していた警備会社を特定できていない。
内田、グプタの両氏とも、初期報告の説明があった20日の取締役会に出席することを認められなかった。調査は独立社外取締役らの求めで5月下旬から始まっており、前出の関係者2人によると、最終報告は早ければ7月にもまとまるとみられる。
ロイターは日産にコメントを求めたが、調査中の案件については回答できないとした。日産を通じて取締役らにもコメントを求めたが、同社は応じなかった。デービス・ポークのコメントは現時点で得られていない。