米検察、経営破綻のFTX創業者を贈賄罪で追起訴 中国当局者へ約52億円を不法に送金
米検察当局は28日、暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXの創業者、サム・バンクマンフリード被告を、中国当局者への贈賄容疑で追起訴した。自身のヘッジファンド取引口座の凍結を解除するため、4000万ドル相当の暗号資産を不法に送金した疑いが持たれている。写真は2月16日、ニューヨーク市の裁判所を出るサム・バンクマンフリード被告(2023年 ロイター/Eduardo Munoz)
米検察当局は28日、経営破綻した暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXの創業者、サム・バンクマンフリード被告(31)を、中国当局者への贈賄罪で追起訴した。自身のヘッジファンド取引口座の凍結を解除するため、4000万ドル(約52億6,246万円)相当の暗号資産を不法に送金した疑いが持たれている。
バンクマンフリード被告はすでに、FTXの破綻に関連した13件で起訴されている。同被告の広報担当者はコメントを控えた。
同被告は30日、新たな起訴状に関する罪状認否を行う予定。関係筋によると、無罪を主張する方針だ。
起訴状によると、同被告は10億ドル以上の暗号資産を持つヘッジファンド「アラメダ」の口座凍結解除を中国政府当局に依頼するため、アラメダのメイン取引口座からプライベートウォレットに4000万ドルの暗号資産を支払うよう命じたとされる。
検察当局によると、アラメダの口座はある取引先に関する調査の一環で凍結されており、同被告が事前に中国当局者に凍結解除を働きかけたが、失敗に終わっていた。
また、同被告は2021年11月ごろ、賄賂を「完了」させるために数千万ドルの追加暗号資産の送金を許可したという。
ロイターは中国外務省にコメントを求めたが、業務時間外のため回答を得られていない。在ワシントンの中国大使館からも現時点でコメントを得られていない。