1247万回再生でも利益はたった328円 YouTuberが稼げなくなった「ビジネスモデルの変化」とは
広告収入に頼りきりのYouTuberは淘汰される
テスティーの「YouTuberに関する調査2022年下半期版」によると、中高生がYouTuberに持つイメージは「楽しそう」「影響力を持っている」などのポジティブなものが多い。一方、大学生が持つイメージは、ポジティブな意見も多い中で、「大変そう」や「一握りの人しか人気になれない」などのマイナスなイメージが中高生より多くなっていた。YouTuberに対するイメージが現実的になってきたということではないか。
なお人気YouTuberラファエルは、昨年7月にヒカルのYouTubeチャンネルで、「月のアベレージ3000(万円)くらい」と収入を告白、シバターは「500(万円)前後」と答えている。ラファエルは会社経営などもしているため、この収入が広告収入のみなのかは不明だ。
1カ月で収益が半減したと告白したカノックスターも「642万4630円」から「379万3417円」への半減であり、一般的な職業と比べるとかなりの高額を稼いでいる。
YouTubeの影響力は大きく、今後もYouTuberへの注目度は高いだろう。しかし、今回紹介したように収益が大きく減ったYouTuberも少なくなく、業界内が二極化している可能性がある。YouTubeの動画投稿だけではなく、YouTubeライブの投げ銭で別収入を得たり、知名度を生かして事業展開したりするYouTuberも目立つ。
今後も、音楽や語学など専門性の高いYouTuberが伸びる傾向は続くだろう。さらに炎上目的や、広告収入に頼りきりという古いビジネスモデルのYouTuberは淘汰(とうた)され、名前を売りファンを獲得するための場としてYouTubeを利用し、別の収益源を開拓することが業界のスタンダードになっていくのではないだろうか。
高橋暁子
成蹊大学客員教授
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、webメディアなどの記事の執筆、講演などを手掛ける。SNSや情報リテラシー、ICT教育などに詳しい。著書に『ソーシャルメディア中毒』『できるゼロからはじめるLINE超入門』ほか多数。「あさイチ」「クローズアップ現代+」などテレビ出演多数。元小学校教員。