W杯、ホテルは想定外のガラガラ状態 サッカーファンの足もと見たカタールにしっぺ返し
過去3回のW杯で各国のサポーターや国際サッカー連盟(FIFA)のスポンサーなどに売り出す宿泊場所を大口予約してきたクハヤを率いるボルクハード・バウアー氏は「W杯でこのような事態(料金上乗せ)は一度も聞いた事がない」と憤る。
バウアー氏によると、結局クハヤが言われた金額を送金した後、疲れ切った団体客はようやく部屋に入ることができたという。
ほかにも宿泊客と事前に合意していた追加ベッド料金を2倍以上引き上げたホテルもあった。
市民にも影響
カタール国内の賃貸住宅利用者も、事前の値上げにほんろうされた。不動産サービスのクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドが9月30日に公表したリポートによると、第3・四半期に長期契約の家賃は30%強上昇し、一部の賃貸住宅オーナーは利用したいなら現在の料金で2年の契約を結ぶよう要求したケースも見られた。
ドーハの集合住宅を借りている人たちに取材したところ、オーナー側は大会の何カ月も前から年間契約の更新を拒否し、家賃を引き上げたようだ。
人工の島「ザ・パール」の高級住宅街で賃貸暮らしをしてきたチュニジア人の30歳の女性は10月に契約が切れ、オーナーからW杯が終わるまで更新はしないと伝えられた。
しかもオーナーは、部屋をすぐにW杯の宿泊者用に使うため、彼女に更新前の一時退去に際して家具を残すよう条件を付けたという。
この女性は「基本的な立場上は応じるしかなかった」と述べた上で、今後割高な長期契約を迫られるのではないかと懸念している。
(Andrew Mills記者)