「投資家はがっかり」の中国新指導部が、成果を出せる手っ取り早い方法
IT ALL DEPENDS ON XI
習は政策の転換を許すのか
新指導部の経済担当チームにも、手っ取り早く成果を示す方法がある。アリババや騰訊(テンセント)といった民間テック企業を苦しめ、外国人投資家を遠のかせてきた規制を緩和すればいい。
新指導部の実務主義と、堅調な経済成長の復活見通しについて、投資家に前向きなメッセージを送ることができる。
だが新指導部が真価を問われるのは、中国経済最大の課題である不動産不況への対応だろう。
中国恒大集団などの不動産開発大手が債務不履行に陥り、建設工事が止まった未完成住宅の購入者が住宅ローンの返済を拒否する動きも相次いでいる。
新指導部は不動産会社の債務超過問題に解決策を見いだせるのか。土地を担保に銀行から巨額の借り入れを行っている地方政府の破綻を阻止できるのか。住宅価格の崩壊を回避できるのか。
不動産部門は20年ほど前から中国経済の推進力となり、今やGDPの17〜29%を占めている。復活すれば、中国経済を再び成長軌道に乗せられるかもしれない。
新指導部がこの不動産危機に効果的な解決策を見いだせるかは、全く不透明だ。何しろ、はるかに経験豊富だった前任者にもできなかったことなのだから。
ただし新指導部にその能力があったとしても、習が政策転換を許すかどうかは分からない。今後がどうなるかは、現在の中国のほぼあらゆる問題と同じく、トップにいる1人の人物に懸かっている。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら