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エネルギードイツ、原発2基停止延期めぐり混乱 政府と運営企業が対立
ドイツ政府が原発2基の停止を先送りする方針を巡り、混乱が起きている。写真はイザール2原発を運営する電力大手エーオンのロゴ。2017年5月、同国西部エッセンで行われた株主総会で撮影(2022年 ロイター/Thilo Schmuelgen)
ドイツ政府が原発2基の停止を先送りする方針を巡り、混乱が起きている。
ドイツ国内で年末までに運転を停止する予定だった原発3基のうち、政府は南部の「イザール2」と「ネッカーベストハイム2」について非常用の予備電源として来年4月半ばまで待機状態にしておくと発表した。天然ガスの供給ひっ迫が見込まれる冬の間、十分な電力を確保するためだ。
しかしイザール2を運営するエーオンは、運転停止するはずだった年末以降も非常時に稼働できるとは技術的な理由から考えられないと主張。「当社は5日夜、原発が予備電源用の発電所としてふさわしいとは思わないと伝えた」と述べ、この問題で政府とやり取りをしていると付け加えた。
一方ネッカーベストハイム2を運営するEnBW(エネルギー・バーデン・ビュルテンブルク)は、所管省庁とともに問題点などを洗い出しているところで、技術面と運営面の実現可能性を検討した上で提案された計画を吟味すると説明した。
これに対してハーベック経済・気候保護相は、エーオンから予備電源化計画への疑念を表明した書簡を受け取ったことに「やや当惑している」と語った。
その上で、エーオン側の技術者はこの計画が原発の稼働と停止を繰り返すものではないと適切に理解していないように思えると指摘した。
別の政府高官はエーオンへの書簡で、イザール2を待機状態にすることで技術的な問題が生じるとは予想できないと反論している。ロイターが書簡の内容を確認した。