【インフレ時代の投資戦略】ウクライナ侵攻で原油高騰、株価はどうなる?
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<エネルギー価格や商品価格が高騰し、世界的にインフレ圧力が高まっている。一般的に株式はインフレに強いといわれているが、なかでも強い銘柄、金融資産は>
インフレ時代の投資戦略
原油などのエネルギー価格や商品(コモディティ)価格が高騰し、世界的にインフレ圧力が高まっています。2月3日には、英イングランド銀行(BOE)が追加の利上げを行い、欧州中央銀行(ECB)も年内の利上げを排除しない姿勢を示しています。
米連邦準備制度理事会(FRB)も2022年度中に複数回の利上げを行うとみられており、コロナ禍で金融緩和を進めてきた各国の中央銀行が、一斉に政策修正をしてきています。
景気の悪化と物価高が同時に進む「スタグフレーション」への懸念も出てきているなか、個人投資家は、どのように資産運用を行っていけばいいのでしょうか。
大きく下落した世界の株式市場
2022年1月、アメリカの株式市場はコロナショックの2020年3月以来で最悪の月となりました。アメリカを代表する株価指数であるS&P500種株価指数は5.3%下落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は9.0%と大幅に下落しました。年内に利上げをするというFRBの発信が逆風となったのです。
日本市場も上値が重くなり、日経平均株価は3月8日に25,000円を割り込みました。
ウクライナ緊迫で進む資源インフレ
世界的に株価が大きく下落した要因のひとつは、アメリカのインフレです。1月12日に発表された2021年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.0%増となり、39年ぶりの高い上昇率となりました。
また、各国で新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした行動制限の多くが緩和されており、ガソリン消費などが堅調なことから原油価格が上昇。2月に入り、WTI原油先物価格は2014年10月以来、約7年4か月ぶりに1バレル90ドルを超えました。
さらに2月24日、ロシアがウクライナへの侵攻を開始したことで、世界生産の1割を占めるロシアからの輸出が減少するとの警戒感から、1バレル130ドルを突破する場面もありました。
ウクライナ情勢の行方に対する懸念とともに、原油価格の上昇がインフレを加速させればFRBが金融緩和縮小と利上げを急ぐのではないか──そうした警戒感が高まっているのです。
インフレと株価の関係
一般的に株式は、インフレに強いといわれています。企業収益が増えると、その企業の株価は上がるのが通常だからです。ですから、モノの値段が下がる「デフレ」よりも、値段が上がる「インフレ」のほうが企業の利益は大きくなるので、株価も上がりやすくなるのです。
ただし、物価の上昇が予想を上回る伸びだった場合、インフレ懸念による金利上昇を受けて株価が下落する場合もあります。