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コンプライアンス米NPO、SP500企業の「環境面の人種差別」ランキング公表 株主提案で改革要求へ
株主提案を通じて企業に改善を求めることで定評のあるNPO「アズ・ユー・ソウ」は11日、企業を「環境面での人種差別」への関与度合いに応じてランク付けし、改革を迫っていくと表明した。写真は今月9日に撮影したニューヨークの金融街。(2021年 ロイター//Andrew Kelly)
株主提案を通じて企業に改善を求めることで定評のあるNPO「アズ・ユー・ソウ」は11日、企業を「環境面での人種差別」への関与度合いに応じてランク付けし、改革を迫っていくと表明した。
対象は米S&P500種総合株価指数の構成企業。事業活動が有色人種の地域社会に及ぼす環境面の影響についてのデータを収集、分析した上で、商品や環境規制違反、企業が支払った制裁金、企業として取った対応などを精査する手法だ。
同NPO幹部オリビア・ナイト氏はインタビューで、評価が最低の企業とは対話を開始し、来年の年次株主総会に株主提案を出すと述べた。同氏は「気候変動問題が有色人種の人々やそうした人々が暮らす世界各地の国々に不平等に影響を与えている」と指摘した。
米化学大手イーストマン・ケミカルを低い評価とした例では、子会社のルイジアナ工場周辺で住民のがん罹患リスクが高いことを理由とした。住民の大半は黒人で、1人当たりの年間所得は全米平均のほぼ半分にとどまっている。
最低評価を出した中には米自動車部品オライリー・オートモティブや鉄鋼大手ニューコアが含まれる。オライリーについては2015年以来、環境に関して支払った500万ドル超の制裁金を問題視。同NPOによると、オライリーはカリフォルニア州で有害廃棄物を不法投棄した。
ニューコアは2018年、黒人労働者をひどい環境で働かせたとして提訴され、2250万ドルで和解に応じたほか、大気や水質の規制にも違反した。
3社にコメントを要請したが、現時点で返答は得られていない。
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