NFTブームが過熱 投機群がりバブル危ぶむ声も
NFT投資家のマイケルIKさん(30)は、昨年9月以来NFTに約25万ドルを投じたと明かす。全資産の90%を暗号資産とNFTで保有しているのだという。
イーサスキャンによると、マイケルIKさんは今月、ペンギンの漫画のNFTを139ドル相当のイーサで購入し、4日後に3956ドル前後で売り抜けた。
この他にも彼はオープンシーで、漫画画像のNFTを0.01イーサ(33ドル)で買い、7時間以内に1.5イーサ(4900ドル)で売るなど、高リターンの短期売買を行っている。
風船ガム並みのバブル
マイケルIKさんは規制の少ない暗号資産の市場で投機を始めた理由について、米連邦準備理事会(FRB)による大量の通貨発行が一因だと言う。
「こんな数字を耳にすれば、僕は完全にいかれていると思われるかもしれない。それなら言ってやる。あなたがたは毎日刷られている通貨を保有しているじゃないか。僕から見れば、いかれているのはそっちの方だ」
マイケルIKさんは、コロナ禍で人々が家にこもり、オンラインで過ごさざるを得ない時間が増えたことがNFTブームの一助になったと言う。「僕はこれをバブルだと考えたくはない。これから大きな波になる何かだと考えたい」
仮想通貨の価格上昇もNFT取引の急増に手を貸した可能性がある。NFTはイーサ建てで取引されることが多く、イーサは8月に入って23%ほど上昇した。
ラボバンクのアジア太平洋金融市場調査責任者、マイケル・エブリ氏は、「風船ガムのようにばかげたバブルを膨らませた」NFT市場に衝撃を受けている。普通であれば苦労して金を蓄えるか、住宅購入の「階段」を上らなければならない若者にとってNFTの高いリターンが魅力なのは分かるとしても、それは「宝くじ」を買うようなものだとエブリ氏は語った。
同氏から見れば、NFTは「絶対に」はじけるバブルにほかならない。
(Elizabeth Howcroft記者)
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