NFTブームが過熱 投機群がりバブル危ぶむ声も
デジタル資産の一種である「非代替性トークン(NFT)」の取引高が今月急増した。ニューヨークのNFT作品専門ギャラリーで4月撮影(2021年 ロイター/Dan Fastenberg)
デジタル資産の一種である「非代替性トークン(NFT)」の取引高が今月急増した。投機筋が価格の上昇を見込んで群がっており、バブルを警戒する声も出ている。
NFTは、暗号資産(仮想通貨)の基本技術として知られるブロックチェーン(分散型台帳)上にある、画像や動画のデジタル資産。今年初めに人気が爆発したが、物理的に存在しないものに大金をつぎ込む現象に困惑する人も多い。
NFT熱は今、これまでで最大の盛り上がりを見せている。世界最大のNFT取引プラットフォーム、オープンシーでは8月初めからこれまでの取引高が19億ドル(約2000億円)と、3月の1億4800万ドルの10倍以上に達した。1月は800万ドル余りにとどまっていた。
オープンシーによると、急増の主因は流通市場での取引だ。
NFT市場の調査会社ダップレーダーの広報担当者イアン・ケーン氏は「発売時に大成功して売り切れた一握りのNFT資産が、過去数週間で跳ね上がっている。その取引がオープンシーにも波及し、買い手は自分のNFTをもっと高い価格で転がそうと狙っている」と説明した。
ロイターが確認したところでは、猿の漫画のNFTが先週、オープンシーでは39イーサで売れた。イーサは暗号資産(仮想通貨)で、39イーサはその時点で12万4205ドル前後。分析プラットフォームのイーサスキャンによると、売ったアカウントは2週間前に22.5イーサ(6万1329ドル)でこのNFTを買ったばかりだった。
この他、6月に0.58イーサ(1366ドル)で販売された抽象デジタルアートのNFTが23日、1000イーサ(332万2710ドル)で売れた。
NFT市場のデータは集計方法によってばらつきがあるものの、ダップレーダーによると、過去30日間で100万ドルを超えるNFT取引が32件確認されている。