最新記事

投資

NFTブームが過熱 投機群がりバブル危ぶむ声も

2021年8月31日(火)11時47分
ニューヨークのNFT作品専門ギャラリー

デジタル資産の一種である「非代替性トークン(NFT)」の取引高が今月急増した。ニューヨークのNFT作品専門ギャラリーで4月撮影(2021年 ロイター/Dan Fastenberg)

デジタル資産の一種である「非代替性トークン(NFT)」の取引高が今月急増した。投機筋が価格の上昇を見込んで群がっており、バブルを警戒する声も出ている。

NFTは、暗号資産(仮想通貨)の基本技術として知られるブロックチェーン(分散型台帳)上にある、画像や動画のデジタル資産。今年初めに人気が爆発したが、物理的に存在しないものに大金をつぎ込む現象に困惑する人も多い。

NFT熱は今、これまでで最大の盛り上がりを見せている。世界最大のNFT取引プラットフォーム、オープンシーでは8月初めからこれまでの取引高が19億ドル(約2000億円)と、3月の1億4800万ドルの10倍以上に達した。1月は800万ドル余りにとどまっていた。

オープンシーによると、急増の主因は流通市場での取引だ。

NFT市場の調査会社ダップレーダーの広報担当者イアン・ケーン氏は「発売時に大成功して売り切れた一握りのNFT資産が、過去数週間で跳ね上がっている。その取引がオープンシーにも波及し、買い手は自分のNFTをもっと高い価格で転がそうと狙っている」と説明した。

ロイターが確認したところでは、猿の漫画のNFTが先週、オープンシーでは39イーサで売れた。イーサは暗号資産(仮想通貨)で、39イーサはその時点で12万4205ドル前後。分析プラットフォームのイーサスキャンによると、売ったアカウントは2週間前に22.5イーサ(6万1329ドル)でこのNFTを買ったばかりだった。

この他、6月に0.58イーサ(1366ドル)で販売された抽象デジタルアートのNFTが23日、1000イーサ(332万2710ドル)で売れた。

NFT市場のデータは集計方法によってばらつきがあるものの、ダップレーダーによると、過去30日間で100万ドルを超えるNFT取引が32件確認されている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米プリンストン大への政府助成金停止、反ユダヤ主義調

ワールド

イスラエルがガザ軍事作戦を大幅に拡大、広範囲制圧へ

ワールド

中国軍、東シナ海で実弾射撃訓練 台湾周辺の演習エス

ワールド

今年のドイツ成長率予想0.2%に下方修正、回復は緩
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中