最新記事

投資

ビットコイン乱高下 意外にも「ジェットコースター」楽しむ個人投資家も

2021年5月25日(火)09時44分

乱高下は魅力

暗号資産が市場の主流へと浮上してきたことで、規制当局も目を光らせるようになった。

米財務省は20日、多額の暗号資産を送金する場合、内国歳入庁(IRS)への報告を義務付ける計画を示した。米連邦準備理事会(FRB)は暗号資産が金融安定を脅かしかねないと指摘。中国当局はビットコインのマイニング(採掘)と取引への取り締まりを強化した。

それでもサンディエゴに住むリリー・フランカスさん(25)は、暗号資産の乱高下から利益を得ようと試み続けてきた。暗号資産のヘッジファンドで働く彼女は2017年に初めて暗号資産を取引し、相場が暴落する前に売り抜けた。

そして先月、資産の約1%を複数の暗号資産に投資し、ソーシャルメディアなどに煽られた相場急騰を享受。マスク氏が8日の米人気バラエティー番組「サタデー・ナイト・ライブ」の司会を務め、ドージコインを「詐欺」と呼んだ時にはイーサを処分してビットコインの持ち分を減らし、その後価格が下がったところでイーサを40%買い直した。

「皆がチャンスを逃すのを恐れて市場に飛び込む時は、たいてい抜け出すチャンス」とフランカスさんは言う。

フロリダ州ディアフィールド・ビーチ在住のドン・リアントニオさん(31)はドージコインとイーサリアムクラッシックに投資している。ドージコインは高値から50%下落したが手放さず、次に上昇するのを待って売るつもりだ。

だが「イーロン(マスク氏)がロケットのPRのために派手な行動を起こすのを待つ気はない。それでは手遅れだろう」と言う。マスク氏は最近、自身が率いる宇宙企業スペースXが来年ロケットを月に飛ばす際、支払いをドージコインで受け付けると発表した。

冒頭に登場したベッテンコートさんにとって、暗号資産の変動の大きさは魅力のひとつだ。暗号資産投資は「恐怖のジェットコースターみたいなもの。登ったり降りたり、何度も曲がるのを味わったり。僕にとってはワクワクして楽しい」

(John McCrank記者)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ビットコイン11%超の下落 中国がマイニング・取引の取り締まり表明
・テスラのイーロン・マスク「リアルのお金より仮想通貨を支持」
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、1カ国と貿易協定で合意と商務長官 国名は明かさ

ビジネス

商品価格、26年にコロナ禍前水準に下落 経済成長鈍

ビジネス

米3月求人件数、昨年9月以来の低水準 解雇件数9カ

ビジネス

トランプ氏、ベゾス氏に電話で抗議 アマゾンが関税費
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 6
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 9
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中