没落する香港 北部が隣接する中国・深圳の「裏庭化」
深圳の不動産会社、カイサ・グループ・ホールディングス(佳兆業集団)は昨年、4億5100万ドルで1区画を手に入れ、大手のチャイナ・バンカ(万科企業)は既に1100戸超を建設済みだ。
万科によると、建設地は広東省珠海市と香港新界離島区などを結ぶ海上橋、港珠澳大橋に近い。このため、グレイターベイエリア(粤港澳大湾区)内の都市の統合が進むことによって恩恵を受けそうだ。
商品価格も値上がり
不動産関連サービスのミッドランドによると、今年1-2月の中国本土市民による香港の住宅用不動産購入は前年同期比40%増加した。新型コロナウイルス危機が収まって深圳と香港の間の移動制限がなくなるとの期待感からだ。
香港の新築住宅販売に占める本土市民の比率は、昨年第2・四半期に8.7%まで下がった。だが、今年第1・四半期には11%に上昇した。
ミッドランドによると、今年は価格が5000万香港ドル(640万ドル)を超える物件の取引が全体の80%超を占めた。
ミッドランドの香港住宅部門のトップ、サミー・ポー氏は「中国の不動産業者は香港市場に前向きだ。北部地区は中国の投資家が購入している地域の1つだ」と述べた。
屯門と元朗では、2019年に反政府・反中国のデモが頻繁に行われた。反政府行動が再発することはなさそうだが、緊張は残っており、昔からの住民は富裕な新規転入者によって生活スタイルを乱されていると感じている。
ウォンさん(50歳)は「屯門は、香港中心部よりも消費者向け商品の値段が高い。異常なことだ」と話した。
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